写真と文章/新井文彦

ぼくの大好きなきのこのひとつです。
もちろん、食べるのではなく、見るのが。

同じベニテングタケでも、
傘が真っ赤な系統のものと、
黄色〜オレンジ系統のものがあるようです。

シラカバの林で見かけることが多いので、
暖かい地方の人にはあまりなじみがないかもしれません。

真っ赤な傘に白い斑点、というルックスから、
毒きのこの代表のように思われているふしがありますが、
毒性はそれほど強くはなくもし食べてしまったとしても、
死ぬようなことはほとんどないようです。

食後30分〜90分くらいで、
下痢や嘔吐、または、幻覚などの症状が。
(でも、マジックマッシュルームではありません)

含まれている代表的な毒成分であるイボテン酸は、
強い旨味成分を含むため、すごくおいしいのだとか!
(かと言って「試食」はやめましょう!)

傘についている白い斑点の正体は、
幼菌時、きのこ(=子実体)を覆う、
卵のような形をした外被膜。
きのこが成長するにつれて引き裂かれ、
傘の表面に付着したというわけです。

ちなみに、タマゴタケの外被膜は、
すっと裂けるので、ばらばらにならず、
根本に「ツボ」として残ってます。

ベニテングタケの象徴とも言えるこの白い斑点は、
雨に降られると流れてしまうことがあり、
白い斑点の、ある、なし、で、
食用のタマゴタケかどうか判断するのは危険です。
くれぐれもご注意を。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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