おしい!食べられるんです!
タマゴタケ(幼菌) 食
写真と文章/新井文彦

幼菌時は、名前そのままに、
卵の形をした真っ白な外被膜に覆われてます。
やがて、その頭部を引き裂いて、
真っ赤な傘の先端が、にょきにょき。

毒きのこが多いテングタケの仲間にあって珍しく、
その、美しく派手なルックスとはうらはらに、
味よし、歯ごたえよし、の食用きのこ。
海外でも好んで食べられてます。

和風、洋風、いずれの料理にも合い、
お味噌汁など汁物の具にするといいダシが出ます。

赤系の派手な色をしたきのこは、
一般的に、毒きのこだと思われがちで、
人の目に触れる場所に発生したタマゴタケは、
けっこう高い確率で、蹴っ飛ばされてます。

普通に目にする、いわゆるきのこは、
子実体と呼ばれており、植物で言うところの花。
ではきのこの本体は何かというと、
土や木の中に糸状に広がる、菌糸なのです。
カビの仲間たるゆえんですね。

胞子をつくり、拡散させることが、
子実体の役割だとするなら、
ニンゲンに蹴飛ばされることも、
まあ、胞子をばらまく方法のひとつ、
と言えなくもないかもしれませんが、
ぼく個人的には、
例え、もしそれが、毒きのこだとしても、
できれば、蹴っ飛ばさないで、
そっとしておいてほしいと思います。

世の中のさまざまな出来事も、きのこも、
本質は見えないところにある!

きのこを見ることは、
哲学をすることでもあるのです(笑)。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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