傘の直径が、1cmから8cmくらいと、
大きさにけっこう個体差があるきのこです。
長い間、北海道特有のきのこだと思われてましたが、
近年では、栃木や長野や青森など、
比較的寒い地方で発生することがわかっています。
夏の終わりから秋の終わりにかけて、
早生と晩生、2回の発生時期があります。
比較的稀なきのこ、として紹介している本もありますが
我が阿寒の森では、発生する時期に、
ニレやタモなどの倒木を丹念に探すと、
比較的簡単に見つけることができます。
それにしても、どうです、この色、この模様。
視線をさらに下に向け、傘に隠れた茎を見ると、
ワインレッド色の水滴をつけていることが多く、
それがまた、本当にきれいなんですよねえ……。
森の宝石、と呼ぶにふさわしい!
と思うのですが、名前は「干しあんず」。
色といい、大きさといい、しわしわ具合といい、
その通り、といえば、その通りなんですけど……。
さらには、このきのこ、
果物のような、すごくいい香りがするんですよ。
「干しあんず」の名が、やはり、ぴったりかも。
図鑑などでは、食用、とされているのですが、
はっきり言って、あまりおいしくありません。
その昔、仲間としゃぶしゃぶ大会をしたとき、
しゃぶ、しゃぶ、と軽くゆがいて食べたのですが、
しゃきしゃきした食感で歯ごたえはいいものの、
ちょっとだけ気になる苦味があるので、
味的には、イマイチ、です。
よって、ホシアンズタケは、
主に観賞用としてオススメしたい、と思います。 |