オオワライタケ 毒
写真と文章/新井文彦

人生長く生きていれば、
悲しみにさいなまれて耐え切れず、
人でもモノでも何かに頼りたくなる、
なんてことが、まあ、1度くらいは、あるかと。

そんなとき、オススメなのが、
みんな、名前くらいは知っている、ワライタケ。
ひと口かじったら、にこにこハッピー。

と、言うのは、ウソです。
本当に、ウソです。
くれぐれも口にしないように!

ワライタケを食べちゃった場合、
頭痛、悪寒がするくらいならまだしも、
嘔吐、下痢、視覚障害、血圧低下、
そして、幸福感を得るどころか精神錯乱を引き起こし、
ひどい場合には、死に至ることもあるとか。
名前はワライタケですけど、笑い話では済みません!

「ワライタケ」という名前については、
食べたとき、各種中毒症状に加えて、
顔面神経が刺激されることで顔が引きつって、
笑っているかのように見えるから、という説があります。

そして、ワライタケは、
幻覚症状を誘発するシロシビンという成分を含むゆえ、
採取、所持が、法令によって、全面的に、
菌糸、もとい、禁止されています!

で、ここから、ようやく、
オオワライタケの話になります……。

ワライタケより、さらに「大笑い」しちゃうのが、
オオワライタケ、というわけでは決してなく、
意味的には、大きいワライタケ、です。

ワライタケとは、種的にも遠縁だし形も似てないのに、
なぜオオワライタケ、なんでしょう?
謎です。

オオワライタケは、
欧米では、例のシロシビンが検出されたものの、
日本産では、未検出。
ゆえに、採取も不可能ではないようですが、
汗臭いようなイヤな匂いがするだけではなく
味的にも、あまりのまずさに圧倒されるとか。
食べる価値、まったく、なし、です。

麻薬成分なんぞに頼らず(笑)、
自分の想像力の限界まで空想に空想を重ね(笑)、
ひととき、別世界へトリップする、というのも(笑)、
きのこの、ある種の楽しみ方かと(笑)。

あ、妄想しつつ文章を書いているだけで(笑)、
笑いが止まらなくなってきちゃった……(笑)。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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