おしい!食べられるんです!
ムラサキヤマドリタケ 食
写真と文章/新井文彦

傘の直径は、5センチ〜10センチくらい。
堂々とした容姿に加え、その色味の妙!
紫と黄色のコントラストがたまりません。
また、柄の網目模様も、素晴らしい。

北海道・道東地方での発生は稀みたいなので、
夏の盛り、吸血昆虫攻撃に耐えつつ、
(北海道の、やぶ蚊の大きいこと!)
仕事だか苦行だかわからない状態で森を歩いていて、
このきのこを見つけたときの喜びときたら……(笑)。

名前からもわかるように、ムラサキヤマドリタケは、
西欧では泣く子も黙る高級食材、ヤマドリタケの仲間!
セップ(仏)、ポルチーニ(伊)、シュタインピルツ(独)、
西洋料理店で、こんな名前、聞いたことありませんか?
食べられるどころか、味も一級品なのであります。

ちなみに、日本で普通に見られる、
「ヤマドリタケ」だと思われていたきのこは、
美味だけど、西欧産に比べて香りが弱く肉質も柔かすぎ、
などと言われていたようですが、それもそのはず、
実は、近縁の「ヤマドリタケモドキ」だった、
なんて話が、かつてはあったようです。

もちろん、きのこ王国の阿寒では、
正真正銘の「ヤマドリタケ」も発生します。
オリーブオイルとニンニクでソテーして食べたら、
これが、もう、おいしいの、何の!
ああ、思い出しただけで、よだれが……(笑)。

そう、それで、
このムラサキヤマドリタケは、
ヤマドリタケよりちょっと劣るものの、
ヤマドリタケモドキよりはおいしいらしいです(笑)。
漬物石の代わりになりそうな立派なきのこ図鑑、
山と溪谷社の「日本のきのこ」でも、
味区分は、最高レベルの、三つ星ですから!

ぼくは、かつて、1度だけ、きのこ鍋の具として、
ムラサキヤマドリタケを食べたことがあるのですが、
味の記憶がまったくないんです……。

今度、見つけたらまた食べてみよっと。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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