傘が粘液でぬるぬるとヌメっていて、
「ツバ」があるきのこだから、ヌメリツバタケ。
もう、見たまま、ど真ん中ストレートの名前です。
阿寒の森では、夏から秋にかけて、
カエデやシナノキなど、広葉樹に発生します。
傘を覆う「ぬるぬる」の正体は、
ブドウ糖など単純な糖がいろいろ集まった、多糖。
きのこが乾燥してしまうのを防ぐ役割があるようです。
「ツバ」とは、きのこの茎の上部に、
布のように巻きついてみえる部分の名称。
まだ傘が開く前の幼菌の時に、
傘の裏側(ヒダ)を保護していた膜の名残です。
ヌメリツバタケは食用きのことして知られていますが、
癖がなくさっぱりしていて鍋物や炒め物などに合う、
という意見がある一方、
特有の強い薬臭がして全然おいしくない、
という意見があったりもします。
きのこの、味はもちろん、毒性も、
個体や、発生地域によってけっこう差があるので、
毒性がないことを確認できたら、
味は自分自身で判断するのがいちばんかもしれません。
蓼食う虫も何とやら、
人それぞれの嗜好もありますしね(笑)。
いずれにしても、知らないきのこを食べる場合には、
地元の詳しい人や保健所などに必ずお尋ねください。
このヌメリツバタケ、ぼくは、
撮影対象として大好きなのですが、
実際に食べたことはありません。
あしからず。
写真ではコケが生えていてわかりませんが、
このヌメリツバタケが生えている木はイタヤカエデ。
フチドリツエタケやブナシメジなども同時に生える、
毎年要チェックの、宝の木なんです! |