毒きのこファンの皆さま、
大変お待たせいたしました(笑)。
もう、見るからに、毒きのこ。
その名も、イボテングタケ、の登場でございます。
実は、このイボテングタケ、
毒きのこの代表格でもあるテングタケと、
つい最近まで、混同されてきました。
テングタケとの外見上の違いは、
大型であること、柄にあるツバが取れやすいこと、
そして、根本にあるツボ(外被膜の名残)が、
幾重もの環状になっていること。
しかし、とても似ているので、正確に分類するには、
顕微鏡で組織の比較をするしかないようです。
まあ、いずれにしても、
両方とも毒きのこには違いありません。
イボテングタケ、テングタケともに、
主な毒成分は、イボテン酸。
ん?イボテングタケで、イボテン酸?
と、思った人は、実に、鋭い!
そう、毒成分であるイボテン酸は、
1960年に、日本の薬学者、竹本常松らによって、
イボテングタケから抽出されたんです!
ゆえに、イボテン酸の英名は「ibotenic acid」なり。
食べたあと、30分くらいで、
胃腸系(腹痛、嘔吐など)、
交感神経系(頻脈、心拍数増加など)、
中枢神経系(めまい、錯乱、興奮など)、
の各中毒症状が現れ、ひどい場合には、
昏睡、呼吸困難に陥るケースもあるようですが、
毒性はそれほど強くはないので、
たいがい、1日くらいで回復に向かうとか。
前に、ベニテングタケの項でちょっと触れましたが、
このイボテン酸は、強い旨味成分を持っており、
味的には、大変おいしいらしいです。
しかも、テングタケのイボテン酸含有量は、
ベニテングタケのおよそ10倍もあるらしい!
(何度も言うけど、絶対に食べないでね!)
また、イボテン酸をなめたハエは動けなくなるので、
テングタケ系のきのこは、洋の東西を問わず、
ハエ取りに利用されたとのことです。 |