おしい!食べられるんです!
アメリカウラベニイロガワリ 食
写真と文章/新井文彦

ビロード状の、赤い傘。
スポンジのような傘の裏も、赤。
そして、柄の色も、赤。
ちょっとでも触ろうものなら、
赤から青へと、みるみる変色……。
実に、実に、素敵なきのこです。

傘の裏が紅(べに)色で、触ると色が変わる。
ゆえに、その名は、アメリカウラベニイロガワリ。

しかし、何故「アメリカ」なのか?
アメリカで発見されたから、かな?
申し訳ありませんが、わかりません。

何はともあれ、
この、ド派手な色をした、大型のきのこ、
食べられるんですねえ!
すぐに変色してしまうので、見栄えは悪いですが、
なかなかどうして、いいお味です。

各種きのこ図鑑を見ると、
アメリカウラベニイロガワリは、
傘の色が、赤ではなく、赤褐色〜茶色系のものが、
掲載されていることが多いのですが、
阿寒の森で見かけるものの多くは、
赤に近いような、けっこう派手な色をしてます。

類似種に、バライロウラベニイロガワリ、
というきのこがあり、こちらはひと口食べただけで、
嘔吐や下痢を伴う胃腸系中毒を引き起こすなど、
正々堂々の、毒きのこなので、ご注意を。

見分け方は、傘がビロード状か否か、など、
いろいろあるのですが、まあ、それは、
この先「きのこを見る目」が養われた暁に、
ぜひ、ご自身でお調べくださいませ。

ゆえに、
傘が赤、傘裏が管孔状で赤、柄も赤、
アメリカウラベニイロガワリだ!
食べられるぞ!おいしいらしいぞ!
などと、簡単にご判断なされませんように。

で、もしも、
アメリカウラベニイロガワリを見つけたら……。
さっと手に取り、赤いきのこのキャンバスに、
おのれの爪先指先で化学変化的青描写をする!
(俗に、落書き、などと申しますが……)
という、独特の楽しみ方を、ぜひお試しあれ(笑)。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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