ホテイシメジ 毒
写真と文章/新井文彦

お酒を飲み過ぎてしまった、次の日……。
辛いですよねえ、二日酔い。
朝になって、どれほど悔やんでも、
いくらスポーツドリンクや、味噌汁を飲んでも、
頭痛や倦怠感や胃のムカムカや吐き気は収まりません。

次回こそ、お酒を控えよう、と思っても、
やっぱり、同じ事を繰り返してしまう……。
いや、仕方ありません、人間だもの。

詳しいことはよくわかりませんが、
モンゴロイド系の人は、生まれつき、
アルコールを分解する何かしらの酵素が、
弱いか、欠けているかしているらしいですね。

日本人は、生まれつき、というか、遺伝的に、
1割くらいの人が、お酒をまったく受け付けず、
3割〜4割くらいの人が、お酒に弱い体質なのだとか。

日頃お酒を飲む習慣がない人でも、
忘新年会シーズンに、歓送迎会シーズンなど、
お酒を飲む機会はたくさんあるから大変です。

さて、この、ホテイシメジ、
クイズでは「食べられない」を正解としましたが、
とりたてて、おいしいほどではないものの、
実は、食べられることは、食べられるんです。

では、何故、毒きのこ扱いにしたのか?
アルコールと一緒に食べた時に、中毒を起こすんです!
しかも、その中毒症状が、悪酔い、というか、
超絶二日酔い状態、と言うんですから、
二日酔い経験者ならその辛さをご想像いただけるかと。

お酒には相当自信がある、という方も、
ゆめゆめチャレンジするべからず。
ホテイシメジをお酒と一緒に食べた時の中毒症状を、
悪酔い、とか、二日酔い、と表現しておりますが、
場合によっては、頭痛や顔の火照り程度では収まらず、
呼吸困難、意識不明など、
重篤な症状を引き起こす場合があります。
何と言っても、きのこが引き起こす中毒ですから、
用心、用心。

じゃあ、お酒と別々に食べればいいじゃん!
と、思った人、大当たり、です。
当たりは、当たりでも、きのこに当たります(笑)。
ホテイシメジを食べたあとは、何と、
1週間くらい禁酒する必要があるそうです。

くれぐれも、酒代が安く済んで助かる、
なんていう発想をしないようにお願いします。
ホテイシメジは、酒飲みには、毒きのこ、です!

ちなみに、なぜ、名前が「布袋」なのか?
写真ではちょっとわかりづらいですが、
柄が、下へ行くほど、ぷっくり膨れるているんです。
そう、まるで、布袋さまのお腹のように。

写真の右側に写っている緑のコケのようなものは、
ヤグラゴケと、ウグイスゴケ。
コケという名前がついているにも関わらず、
その正体は、コケにあらず、植物でもなし。
菌類と藻類が共生している、地衣類なのです。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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