これは、食毒不明なんです。
ネズミシメジ 毒
写真と文章/新井文彦

「この味がいいね」と君が言ったから
 七月六日はサラダ記念日

今やおなじみ、俵万智の短歌です。
恋人と過ごす、夢と希望に満ちた薔薇色の日々……。
毎日が「記念日」であろうことは想像に難くありません。
あえて7月6日を「サラダ記念日」にした理由は、
恋人同士の記念日が七夕では芸がないから、的なことを、
作者の俵万智がどこかで書いていたような……。
なるほどなるほど。

7月7日は「七夕の節句」です。
5月5日は「端午の節句」ですね。
3月3日は「上巳(じょうし)の節句」、
別名を「桃の節句、雛の節句」などと言いますな。
節句は、日本の暦のひとつで、
伝統的な年中行事を行う、特に重要な日。
いずれもぞろ目(しかも奇数月)の日なんですねえ……。
あ、人日(じんじつ)の節句は、1月7日ですけど。

歴史的記念日もあれば、
やや洒落を含んだ記念日も……。
世界湿地デーでもある2月2日は、語呂合わせで、
「夫婦の日」「おじいさんの日」「ツインテールの日」
「バスガールの日」「頭痛の日」などが設定されてます。
(ちなみに「きのこの日」は10月15日です)

そうそう、2月22日は「ネコの日」なのだとか。
にゃん、にゃん、にゃんの日、という訳ですね。
で、ネコ、と言えば、ネズミ!
ネズミシメジにご登場願いました……(笑)。

ネズミシメジは、傘の表面がやや繊維質で、
いかにもネズミっぽい色をしてます。
中央部はとんがっていて、多くの場合、黒色です。
誤って食べると、嘔吐、下痢、腹痛などなど、
胃腸系の中毒を引き起こします。

超一級の食菌シモフリシメジにそっくりなので、
とにかく、傘の真ん中が黒くて、とんがっている、
シメジ系のきのこには十分ご注意のほどを。

ネズミシメジはすごく苦いので、
ひと口齧ってみるとすぐにわかります。
毒きのこの味見をするのはすごく不安ですけど、
ちょっと齧って味を確認してぺっぺと吐き出せば、
中毒するようなことはまずありません……。
でも、まずさは口の中に残りますが(笑)。

ところで。
タウザーというネコをご存知ですか?
知っている、という方は、もしかしたら、
かなりのウイスキー好きかもしれません。

メス猫のタウザーは、
スコットランドのウイスキー蒸留所、
「グレンタレット蒸留所」の飼い猫で、
ウイスキーの原料である大麦をネズミや鳥から守る、
「ウイスキーキャット」だったんです。

何がタウザーを有名にしたかというと、
世界一ネズミを捕獲したネコとして、
ギネスブックに登録されているんです。
23年の生涯で、捕獲したネズミの数は、
にゃんと、にゃんと、28,899匹!

ネコはネズミを捕まえると飼い主に見せると言いますが、
タウザーも蒸溜所のスタッフに見せに来たのだとか。
本当は、もっと捕まえていたのかもしれませんねえ。

と、いうことで、今夜は、
シングルモルトウイスキーでも飲みながら、
同じ地球で同じ時代に生きる愛すべきネコたちに、
敬意を表するとしましょうか。
にゃんこの未来に、乾杯!

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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