「ポルチーニ」「セップ」と言えば、
西洋料理ではお馴染みの美味きのこ。
日本名は、ヤマドリタケと言います。
じゃあ、コガネヤマドリは、
世界クラスのスターきのこであるヤマドリタケの、
さらなる豪華絢爛ピカピカ金色バージョンか!
と、誤解する人がいるかもしれませんが、
単に、姿形がヤマドリタケに似ている黄色いきのこ、
と理解しておきましょう……。
夏から秋にかけて、主に広葉樹林の林床に発生。
黄金色の傘の直径は、4〜10cmくらいです。
イグチの仲間の特徴である傘裏の管孔も、傘と同色。
中実で重量感ばっちりの柄は、
上部のみ網目模様が見られ、下が多少太くなっています。
特筆すべきは、青変性がないこと。
傘や傘裏が、赤や黄色のイグチは、
触ると色が青く変わるものがけっこうありますが、
コガネヤマドリは、色が変わりません。
つまり、
全体的に、黄色、黄金色で、
柄の上部のみ網目模様があり、
触っても色が変わらないイグチは、
ほぼ確実に、コガネヤマドリと言えましょう。
そこそこ大きくてしっかりした立派なイグチなので、
食べてみたい!と思う人がいるかもしれませんが、
味も、香りも、へったくれも、ありません。
食毒すらはっきりとわかってないようです。
インターネットで調べてみると、
世に存在するきのこ系好事家たちは、
コガネヤマドリを様々な調理方法で食べてみては、
まずい、味がない、なかなかうまい、と、
百人百色のことを申しているわけで。
本家ポルチーニや、マツタケや、ホンシメジであれば、
おそらく、日本人100人中、90人くらいは、
うまい!と言うのではないかと思います。
もし、仮に、食べることができるとしても、
味の定まった評価がないきのこは、
少なくても、一般人を対象とするならば、
まあ、食べない方が無難です、はい。
ところで、生物のネーミングにおける、
色に関するガイドラインはあるのでしょうか?
あれは黄金、あれは黄色、あれは金茶色などと、
命名者の解釈で好きに名づけていいのであれば、
それはそれで面白いので、あり!だと思います。
コガネヤマドリは、英語で言うと、
butter-foot bolete(=バター足のイグチ)。
う〜む、食べない方が無難なきのこなのに、
美味しそうな名前だなあ(笑)。 |