KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百八拾九・・・利子

「お金とは不思議なものでございますね。
 必要な時になくて、必要じゃない時にもない。
 あっ」

弟子の手から、なけなしの10円玉が転がった。

「いけません。早く拾わねば」

大騒ぎすることではない。
しかし、北小岩くんにとっては
1秒を争う大問題。
幼少のみぎり、地面に落とした宝物の1円玉に
甘味がついていたため、
大勢のアリに運ばれてしまったのだ。

「一生懸命うんこらしょをしておりましたので、
 軽々しく取り上げることなど、
 わたくしにはできませんでした。
 ですので今回は先回りして、
 拾わねばなりません。
 むむっ!」

10円玉を手に取ると、2枚に増えていた。
手品ではなく、
たまたま落ちていた10円玉の上に、
ぴたりとお金が落ちたらしい。

「突然、利子が倍ついたようでございます。
 しかし、どういたしましょうか。
 1枚はわたくしのものでございますが、
 1枚は誰かのものでございます。
 ここはやはり交番に」

小林 「見てたで。
 1枚は昭和28年製造のギザ十やろ。
 お前が持っていても仕方のない
 貴重なもんや。
 まあ、俺にくれとはいわないが、
 一生俺のものとして貸してくれや」

先生は女性のスカートが風で捲くれた時など、
一瞬で目に記憶をさせる。
エロと金に関しては、ズームも自在。
一眼レフなど比較にならないほど、
高性能の眼力をもっているのだ。

北小岩 「交番に届けなくても
 よいのでございますか」
小林 「貴重なもんやと言ったやろが!
 そんなに届けたければ、
 お前の10円を届ければええわ」

なんだかんだ屁理屈をつけ、
最低先生は10円をせしめた。

小林 「まあ、日頃の俺の行いに対する
 利子みたいなもんやな。
 銀行がちょいと変わった利子を
 始めたらしいで。
 行ってみるか」

割り切れない思いの弟子であったが、
師の指浣腸に押され、銀行に入っていった。

小林 「ここの
 キャッシュディスペンサー
 (CD)やな」
北小岩 「大小さまざまな扉が
 ついておりますね。
 なんでございましょうか」

ガチャッ

女が100人いれば95人は振り返るであろう、
かなりのイケ面が現れ記帳した。

イケ面 「ずいぶん利子がついたなあ。
 もらうかな」

CDにある利子ボタンを押すと。

北小岩 「顔の正面の扉が開きました。
 中から美女が!」
美女 「チュッ!」
北小岩 「とってもおいしそうなキスを
 いたしました!」

「そうだよ。このCDは、
 利子に応じて様々なプレゼントがあるんだ。
 例えばキス。
 でも、利子額に応じて女性のランクが
 松・竹・梅に分かれるんだよ」

北小岩 「あなたは?」

「私は銀行についてくわしい人だ」

「うおおおおっ!」

悲鳴の方を振り向くと、ちんちくりんな男が
怖そうなおばあさんにキスされていた。

銀行に
ついて
くわしい人
「松・竹・梅といっても、
 梅は『梅ばあさん』なんだよ」


小学生の男の子がやって来た。

男の子 「お年玉の利子が
 ちょっとだけたまってる」

その子は小さな扉から、
よっちゃんイカを受け取った。

「キャー!」

ボディコン女性の股間付近の扉が開き、
放水されたのだ。

北小岩 「あれでは
 失禁したようにしか見えません!」
銀行に
ついて
くわしい人
「借り入れで、
 預金が
 マイナス状態なんでしょうね」


高額利子者には、女性の手による
ピンクサービスもあるらしい。
話を聞いた先生も試して見たが、
手は出てきたものの
にぎりっ屁をかまされただけで
終わった。
ともかく銀行の新しい動きには、注目したい。

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2010-04-18-SUN

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