「お金とは不思議なものでございますね。
必要な時になくて、必要じゃない時にもない。
あっ」
弟子の手から、なけなしの10円玉が転がった。
「いけません。早く拾わねば」
大騒ぎすることではない。
しかし、北小岩くんにとっては
1秒を争う大問題。
幼少のみぎり、地面に落とした宝物の1円玉に
甘味がついていたため、
大勢のアリに運ばれてしまったのだ。
「一生懸命うんこらしょをしておりましたので、
軽々しく取り上げることなど、
わたくしにはできませんでした。
ですので今回は先回りして、
拾わねばなりません。
むむっ!」
10円玉を手に取ると、2枚に増えていた。
手品ではなく、
たまたま落ちていた10円玉の上に、
ぴたりとお金が落ちたらしい。
「突然、利子が倍ついたようでございます。
しかし、どういたしましょうか。
1枚はわたくしのものでございますが、
1枚は誰かのものでございます。
ここはやはり交番に」
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小林 |
「見てたで。
1枚は昭和28年製造のギザ十やろ。
お前が持っていても仕方のない
貴重なもんや。
まあ、俺にくれとはいわないが、
一生俺のものとして貸してくれや」 |
先生は女性のスカートが風で捲くれた時など、
一瞬で目に記憶をさせる。
エロと金に関しては、ズームも自在。
一眼レフなど比較にならないほど、
高性能の眼力をもっているのだ。
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北小岩 |
「交番に届けなくても
よいのでございますか」 |
小林 |
「貴重なもんやと言ったやろが!
そんなに届けたければ、
お前の10円を届ければええわ」 |
なんだかんだ屁理屈をつけ、
最低先生は10円をせしめた。
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小林 |
「まあ、日頃の俺の行いに対する
利子みたいなもんやな。
銀行がちょいと変わった利子を
始めたらしいで。
行ってみるか」 |
割り切れない思いの弟子であったが、
師の指浣腸に押され、銀行に入っていった。
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小林 |
「ここの
キャッシュディスペンサー
(CD)やな」 |
北小岩 |
「大小さまざまな扉が
ついておりますね。
なんでございましょうか」 |
ガチャッ
女が100人いれば95人は振り返るであろう、
かなりのイケ面が現れ記帳した。
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イケ面 |
「ずいぶん利子がついたなあ。
もらうかな」 |
CDにある利子ボタンを押すと。
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北小岩 |
「顔の正面の扉が開きました。
中から美女が!」 |
美女 |
「チュッ!」 |
北小岩 |
「とってもおいしそうなキスを
いたしました!」 |
「そうだよ。このCDは、
利子に応じて様々なプレゼントがあるんだ。
例えばキス。
でも、利子額に応じて女性のランクが
松・竹・梅に分かれるんだよ」
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北小岩 |
「あなたは?」 |
「私は銀行についてくわしい人だ」
「うおおおおっ!」
悲鳴の方を振り向くと、ちんちくりんな男が
怖そうなおばあさんにキスされていた。
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銀行に
ついて
くわしい人 |
「松・竹・梅といっても、
梅は『梅ばあさん』なんだよ」
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小学生の男の子がやって来た。
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男の子 |
「お年玉の利子が
ちょっとだけたまってる」 |
その子は小さな扉から、
よっちゃんイカを受け取った。
「キャー!」
ボディコン女性の股間付近の扉が開き、
放水されたのだ。
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北小岩 |
「あれでは
失禁したようにしか見えません!」 |
銀行に
ついて
くわしい人 |
「借り入れで、
預金が
マイナス状態なんでしょうね」
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高額利子者には、女性の手による
ピンクサービスもあるらしい。
話を聞いた先生も試して見たが、
手は出てきたものの
にぎりっ屁をかまされただけで
終わった。
ともかく銀行の新しい動きには、注目したい。
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