♪く〜も〜は〜わ〜き〜、ほにゃららほ〜にゃにゃ〜。 ──キンッ! 『痛烈! 三塁線っ! ファール、ファール、わずかに切れたっ。 なんと7球目のファールです。 カウントはいぜんとしてツースリー。 2塁ランナーが帰ってくれば、同点です。 9回表、ツーアウト。 やはり簡単には勝たせてくれません』 こんにちは! 「ほぼ日」の永田です。 さあ、ぼちぼち地区予選も大詰めです。 今週末には代表校がつぎつぎに決まってくるはず。 そうなるともう、夏ですよ! さあ、「おらが夏の甲子園」、 さっそくはじめていきましょう。 まずは、こんな質問から。 そうです、このコーナーは、 「野球オンチ大歓迎!」なのです。 それでは、不肖永田が、 さっそく説明を試みてみましょう! ええと、ですね、 3塁にランナーがいるんです。 3塁のランナーを、ホームインさせたいんです。 ぜひ、1点ほしいんです。 で、どうしようかというときに、 「スクイズ」という作戦をとるんです。 具体的にどうするかというと、 ピッチャーが投げると同時に、 3塁ランナーがホームに向かって走ります。 すごい勢いで走ります。大急ぎです。 でも、投げたボールとランナーでは、 当然、ボールのほうが速いですから、 キャッチャーが捕ってしまうと、ふつう、 ランナーはタッチアウトになってしまいます。 そこで、バッターは、来た球をバントします。 バントは、わかります? バットを横にかまえて、 来たボールをコツンとバットに当てて、 コロコロと転がすわけです。 ボールがコロコロと転がっているあいだに、 3塁ランナーはホームインです。 守ってるほうは、転がった球を捕って1塁に投げて、 とりあえず、バッターをアウトにします。 つまり。 バッターはアウトになってもいいからバントをして、 走ってきた3塁ランナーをホームインさせる。 それがスクイズです。 ですから、ふつう、スクイズは、 ツーアウトから試みることはありません。 (セーフティスクイズとかありますが、 まあ、そのあたりは、省略します) アウトの数が、ゼロかひとつのとき、 3塁にランナーがいて、 確実に1点がほしいとき。 そんなときに「スクイズ」は行われます。 ちなみに。 スクイズは、万全ではありません。 スクイズが失敗するパターンはいくつかあるので ぜんぶは説明しませんが、 つぎの代表的な例を覚えておくと、 野球観戦がよりたのしくなるので 覚えておいてください。 すなわち、 「投げるボールを大きくはずす」ことです。 いいですか? まず、3塁ランナーがいます。 ここで、守っている選手たちが、 「ひょっとして、つぎはスクイズ?」と 相手の作戦を読んだとします。 すると、ピッチャーとキャッチャーは サインにより申し合わせて、 「投げるボールを大きくはずす」のです。 それとは知らず、3塁ランナーは、 ピッチャーが投げると同時に走り出します。 しかし、ピッチャーはここで、 ボールを大きくはずす! そうすると、バットが届かなくて、 バントができません! バントは失敗! ボールを捕ったキャッチャーは、 走ってきたランナーを追いかけてタッチ! これで、ピンチを切り抜けることができます。 スクイズは、つねにこの危険と隣り合わせです。 ですから、アウトの数がゼロかひとつで、 ランナーが3塁にいる場合、 攻撃側は、スクイズをやるのか? やらないのか? 守備側は、ボールをはずすのか? はずさないのか? そういう読み合いがはじまるのだということを 覚えておいてください。 甲子園を観ていると、 かならず、そういう局面があります。 だいたい、そんな感じで おわかりになりましたでしょうか? みなさまからの野球についての質問、 まだまだ募集しておりますので どうぞお気軽にご投稿くださいませ。 ちなみに、さっきからチョコチョコ登場する、 「マンガ好きの小学生が描いたような絵」は、 ほぼ日刊イトイ新聞のハリーの手によるものです。 しだいに画力もあがってくると思いますので、 しばらくのあいだは、なにとぞご容赦ください。 さ、全国から届いている甲子園情報です! まずは、 「茨城県の高校は、かならず全校をあげて、 地区予選の応援に行く」という投稿の続報から。
Illustration:澤田
圭 |
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2005-07-22-FRI | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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