思えば、お国自慢の祭典じゃないか! おらが夏の甲子園。

甲子園ファンのみなさまへ、お知らせ

甲子園ファンのみなさま、こんにちは。
ほぼ日刊イトイ新聞の永田です。

いよいよ夏の甲子園開幕! というところですが、
今日は、残念な、というか、
ひじょうに申しわけありません、
というようなお知らせです。

夏の甲子園大会を目前に控え、
「今年の『おら夏』はどうなっているんだ」
「もちろん、やりますよね?」
といったメールを多数いただいております。
ほんとうにありがとうございます。
ありがとうございます、とは思うのですが、
まことに申しわけありません。
今年は、甲子園特集は、ありません。

理由は、まったくもってシンプルです。
完全にぼくのキャパシティーの問題です。

あれをやることは個人的にひじょうにたのしいのですが、
ひとたび、手掛けてしまうと、約3週間のあいだ、
ほかの仕事がまったくできなくなってしまいます。
糸井重里いわく、
「息を止めてザブンと海の底に潜るような仕事」
ですので、どうしてもそうなってしまうのです。
もっとライトに、さほど手をかけない方法で
連載をするということもできなくはないと思うのですが、
なにぶん、こういう性格ですので、
加減をしてしまうと自分でたのしめなくなってしまいます。

そして、ご存じの方も多いかもしれませんが、
そういう仕事を、今年はすでに、
2月のトリノオリンピックのときに
一度やってしまいました。
たびたび仕事を滞らせるわけにもいかず、
いろいろ考えたすえ、今回は夏の甲子園特集をすることを
断念することにいたしました。
「やる!」と宣言すれば、やれるのですが、
「やる!」と宣言しないことに自分で決めました。
たのしみにしてくださった方、申しわけありません。
メールをくださった方、ほんとうにありがとうございました。

勝手な話ですが、今年の夏の甲子園、
個人的にはとてもたのしみにしています。
もちろん、可能な限り、試合も観ますとも。
なんといっても注目は
駒大苫小牧の田中将大投手です。
彼を中心に、他校がしのぎを削る、
横浜の松坂投手が勝った
あのすばらしい大会の再来を期待しています。
そう、のちに「田中世代」と呼ばれるような‥‥。

仙台育英の2年生エース、佐藤投手も気になりますし、
去年の夏を見守ったファンにはお馴染み、
関西のダース投手も甲子園に帰ってきました。
打者のほうではなんといっても大阪桐蔭の中田選手。
去年の剛打、平田選手を彷彿とさせる評判の高さで
ひじょうにたのしみです。

そんでもって、その大阪桐蔭はなんと、
1回戦で横浜と当たるんですよ!
おまけにそのEブロックは超激戦区!
大阪桐蔭、横浜に加え、早稲田実業、
そして「おら夏」のヒーロー校、清峰!
う〜ん、こりゃすごい。こたえられん‥‥。

と、いうような話を、
延々と書いていきたいのはやまやまなのです。
やまやまなのですが、どうぞ、ご理解ください。

みんなで甲子園をたのしんだ去年の夏は
ほんとうにたのしかったです。
今年も、みんなで観ているようなつもりで
夏の甲子園をたのしみましょう。
甲子園を愛するすべての人の心に「おら夏」はあるのです。

明日の開幕を前に、
以上のことをきちんとお知らせしたく思い、
ページを更新させていただきました。
たのしみにしてくださった方、申しわけありません。
勝手な言い分ばかりになってしまいますが、
今年の夏も、甲子園をいっしょにたのしみましょう。
それでは、失礼いたします。


2006年8月5日    ほぼ日刊イトイ新聞・永田。

Illustration:澤田 圭
2005-08-05-SAT
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