モロッコ西サハラ漂流中
山本寛斎氏との岐阜でのイヴェントで、
<鉄の馬>を創っていたら、
モロッコに行ってみないかと言う誘い。
天から降ってきたボタモチ、
優雅なバカンスとばかり飛びついたのが、
オレのいつものアサハカな人生だった。
パリに降り立ちすぐに乗り換えスペイン・マドリッド。
飛行機が遅れちまって、直ぐに乗り継ぎ予定の
カナリア島行きの飛行機はオレ達に構わず飛び立った。
後の祭だ。
翌朝の便を取り直し安宿泊まり。
今度は大丈夫と待っていると、
何を思ったか「ちょっと両替に」と言い残した音声さんは
待てど戻らず。
オレは「機内だろう」と言ったが、
さすが皆さんのNHKスタッフ。
「全員の安全を確認しなきゃ」と
目の前を飛行機がまたも飛び立っちまった。
間抜けなボンヤリした3時間。
すったもんだでカナリア島である。
ここからモロッコに渡ると、砂漠の中を西へ。
情報のネットが張り巡っている今、
砂の中の一本道をひたすら600km。
ここでまたも音声さんが乗った車が、
中継所で待てど来ないのだ。
検問の町の安ホテル泊まり。
電話なぞはあるはずもない。
はぐれた車とは夜中になって合流出来たのは、
砂漠の旅を重ねて身につけた
ジタバタしないで待つオレのお陰である。
古代からそう大して変わらない風が吹いている朝になった。
すぐ熱い砂の輻射熱で、
前方に現れては消える<逃げ水>を追いながら、
砂嵐が打ちつける中をDAHKLAの海岸まで
あと380km。
バカンスなぞとは程遠い、
砂の中を蛸を求めて浮遊するバカな旅のすがらである。
NHK<地球の胃袋>とやらの特バン。
テーマは蛸。
ほとんどを日本に輸出しているというモロッコの蛸捕りだ。
この取材はいつもの小ゼニのオシゴト。
蛸捕りまでこなすオレは砂が吹きすさぶ海の町で
BLUEの海と灼熱の光りを頭蓋にセッセと取り込んで、
ゲージツアジャパーに拍車をかけている。
しかし、西サハラは広大な砂漠のゾーンだ。
このメールも帰りに立ち寄るカサブランカからになるだろう。
戻ればまた岐阜の山奥にこもって
75トンの<鉄の馬>の仕上げが待っているし、
巨大KILNでの光りの制作もあったなー。
未だ、ゲージツでの経済完全自立が程遠いオレだが、
ますますのパワーアップを
やがてみんなの眼玉にモノ見せよう。
なんとかカサブランカのホテルからアクセスしたがダメ。
成田に着いてメールをばら撒く情けない旅だった。
|