Kuma
クマちゃんからの便り

春の雨


オレが桜も咲き始めた
<大人になる必要の無い>
<大人になりたくない>国ジャパンに生還して
早くも三ッ日が過ぎていった。
誕生と消滅のあまりにもドラマチックなジカンに
浮遊していたから、身体もオーヴァーヒート気味である。
結石はイメージで潰して放出したのだが、
極寒の美しいシーンにあれほど反応した頭蓋と身体が、
今、停止状態である。
春の雨に包まれて山梨FACTORYにてまどろみながら、
来週から新しいKUMA'S BLUEの
制作に入る準備と静養だ。

もう流氷には、亀裂が入り
それぞれが小さく薄いカタマリになっているジカンだ。
淘汰を遁れ生き残った空腹のアザラシの仔たちは、
小さく心許なくなった<氷のユリカゴ>から
海にはじめて飛び込み、
自ら生きる為に泳ぎだして
大人になっていく時期を迎えているだろう。
ネイテヴのヒト等も、毛皮のトラッパー達も、
アザラシも、ビーバーも、トラウト、パイク、
森の樹。その磁場のなかで季節を繰り返す。



しかし、ラセン状のジカンは同じではない。
オレが生きる理由である<KUMA'S BLUE>も、
まどろみから覚めて春爛漫の来週から
削り出し研磨と激しくなっていく。

2001-03-29-THU

KUMA
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