クマちゃんからの便り

ニューヨークからのお呼びだぜぃ




ニューヨーク個展は、いよいよ六月十八日から
八月十八日までの二ヶ月と決まった。
チェルシー二十四丁目は、ビッグなギャラリーが
ひしめき合っている通りで、
若いギャラリストMIKE WEISSのギャラリーは、
その真ん中にある。

ヴェネチア、フランチェスコ寺院での個展や
LIDO島でのオレのオブジェを目にした
R・MORGANがキュレートして、
MIKE WEISSGALLERYでの個展を企画してくれたのだ。

三十五歳のギャラリストが、
オレのゲージツに興味を持って
呼び寄せてくれるのは嬉しいことだ。

オレが最初にニューヨークでゲージツしたのは
二十年前だった。ブロードウエイをトラックに乗って、
スクラップ鉄を拾っては荷台に放り込み
端から端まで走った。
ジャングルストリートの空きビルを不法占拠する
芸術家の卵たちから、借りた溶接機と場所で
ジャンクをゲージツしたものだ。

しかし今度は正式なお迎えである。
屋内での展示はMILANO
<MUDIMA>に続いて二度目だが、
MIKEは
「もしKUMAが望むなら
 壁や天井をぶち抜いてもかまわないよ」
と言ってきたが、
オレが乗り込んで必要ならそうするさ。

美術の相場からも、ムーブメントからも、
程遠く在るオレのゲージツのチカラが放つ
ステージに不足はない。

二ヶ月間たっぷりと、オレの標をお見せしよう。

今回の作品群は総重量五トンになる。
運送のゼニはGALLERY持ちだが、
この重量ではやっぱり飛行機は無理だろうし、
来月あたまには船便で出さなくてはならない。

二月からはじまった甲斐嶽ふもとでの制作は、
バケツの水まで凍る三月の今が佳境である。
毎朝、寒い工場の神棚に灯明を挙げた
八時から開始のシゴトも一段落して、
次は東京・江戸川区にある鉄工場に移っての創作である。

クマさんへの激励や感想などを、
メールの表題に「クマさんへ」と書いて
postman@1101.comに送ろう。

2005-03-11-FRI
KUMA
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