あけましておめでとうさんどす。 ごぶさたしとりました、「京おとこ」どすえ。 という、京都弁演技はこれくらいにして、 みなさま、地元に帰っての お正月を満喫されていますでしょうか。 たぶんわたくしは実家の京都に帰省して、 今ごろ白味噌に頭芋、大根に金時人参に丸餅という、 慣れ親しんだお雑煮を体内に取り込んでいるはずです。 とはいえ、故郷のお雑煮保守派ではなく、 いつか香川で食されているという、 あんこ入りの餅のお雑煮に チャレンジしてみたいという野望もあります。 さて、3年ほど前に七十二候にそって 季節の俳句や行事、旬の食べ物をお薦めするアプリ 「くらしのこよみ」を ここほぼ日では対話形式で紹介しておりましたのですが、 実は、この「くらしのこよみ」を完全に英語化しまして、 昨年末「72 Seasons」として iOS/Androidでリリースしました。 ここのところ日本語として ニュースなどですっかり定着しました「インバウンド」。 わたくしも最初耳にした時には、 「野球でインコースにワンバウンドする新しい魔球か」 と思いましたよ。 いや、それは言い過ぎの作り話なのですが、 それぐらい違和感があったものです。 しかし、いまや嵐の桜井くんが 普通に言ってそうな言葉じゃないですか。 実際、みなさんの近くにも押し寄せていませんか、 外国人観光客たち! わたくしは職場が東京の銀座に近いものですから、 時々昼間に歩いたりすると、 「うわ、この一角、日本人は自分だけか!」 という体験をしたりしています。 せっかく外国から人が来るのなら、 この機会に英語で日本のことを 説明できるようになりたいと、 英語の勉強をはじめている、はじめたいぞ、 という方々もいらっしゃるのではと思うのであります。 もちろん、日本が大好きだから、 日本のことを深く知りたいという世界のみなさんも 多々いらっしゃるのではとも思いました。 そこで、「72 Seasons」の開発と 相成ったわけでございます。 とくに「くらしのこよみ」で紹介している食の数々を 英語にするのは意義あることかと考えました。 ずいぶん前、 つまりインターネットが普及していなかった、 もちろんスマホは当然なかった時代に、 友達が欧米から来たお客さんとよく会食をすると言うので、 「“この食べ物は何?”みたいな質問で 答えられなかったらどうすんの?」と聞いたら、 「あー、そういう時は “It's good for health”って言うとくんや。 そうしたら食べよるで」 と友達(大阪人)が言うので、 びっくりしたことがありました。 一晩で何回も“It's good for health”と言うのか。 それだったら、最初に“Everything are good for health”と宣言したら楽ではないか。 ん、しかし、それは、自分が異国の 未開の島に行ったとして、 半裸の老若男女に取り囲まれた晩餐の宴で、 見慣れぬ豪勢な料理を眼の前に、 「全部身体にいいから全部食べてね」 と言われることと同じではないか。 たぶん、その時「今日は食欲は無いけど、 一緒に踊るから許して」とか言いそうだな。 だったら、日本の食材や料理をすらっと英語で言えたら、 それはかっこいいぞと思った記憶があるのです。 たとえば、今日の元旦は七十二候だと、 第六十六候「雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる)」 なのですが、旬のさかな「甘海老」は、 英語版「72 Seasons」だと「Sweet Shrimp」、 割とそのままですね。 他にも「白菜」は、 英語で「Chinese cabbage」だというような 新鮮な驚きがあります。 白菜よ、君は「中国キャベツ」だったのか。 ずっと昔から日本に住み着いているものだと 誤解していたよ。 わかってなくてすみません。 これも英語にしたから発見できることの一例であります。 |
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今回、「くらしのこよみ」英語版「72 Seasons」の 翻訳を統括してくれた、トム・ヴィンセントさんから 英語で推薦文をいただきました。 トムは、「ほぼ日」オールドファンには懐かしい、 T-1ワールドカップのチャンピオンでもあります。 |
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72
Seasons. One year divided into not just four, nor even six, but a full seventy-two tiny, delicate seasons. 365 days in seventy-two brief snapshots, each lasting less than a week, capturing the subtle changes in the world around us throughout the year. |
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以下、「京おとこ」による和訳です。 あやしい翻訳ですから、 どなたか腕に自信のある方の訳をいただけたら、 すぐに差し替えます! |
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七
十二候。一年は、単に4つでも、6つでもなく、72の小さく、繊細な季節に分かれる。どれも1週間にも満たない、365日のうちの72の簡潔なスナップ写真が、一年を通じて私たちを取り巻く世界の微妙な変化を捉えるのである。 |
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以上、「京おとこ」による直訳和訳でした。 ほんとは京都弁訳とかできたらよかったんですが。 こなれていない上にあやしい翻訳ですから、 どなたか腕に自信のある方の訳をいただけたら、 すぐに差し替えます! 「くらしのこよみ」と「72 Seasons」の 2つのアプリがスマホにあれば、 その相乗効果たるや、 日本にくわしくなれるわ、 英語の勉強にもなるわで、 ふた粒で2倍美味しいということですよ。 (こう書くとあまり有り難みが無いですね・・・) なにはともあれ、 七十二候とともに暮らすみなさんの一年が 素敵になりますように。 |
2016-01-01-FRI |