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(思い切って話題をふる)
82年の矢野さんの
「愛がなくちゃね」に
矢野さん、糸井さん、坂本さんが
喋っている声が録音されているんですね。 |
糸井 |
ぼそぼそしゃべる声が
入ってるんですよね。 |
坂本 |
あの頃は、僕ほとんど意識なかった。 |
糸井 |
無意識で毎日生きてた? |
坂本 |
覚えてないんです(笑)。 |
糸井 |
俺は、最近になってたまたま
そのレコード聞いて、
あ、こんなことしたっけな、
っていうの思い出したんです。
坂本くんほどじゃないんですけど、
記憶になかった。 |
坂本 |
いや、ぼくは記憶にないですよ。 |
糸井 |
この人は、もっと
無闇なことしてたからね。
俺よりも無闇だったと思うんですよ。
ただ、昔、俺と会ってて、
嫌いだった人のことを想像すると、
そりゃ嫌いだろうなって思うことは
よくあるんだよ。 |
坂本 |
あのさ、あの当時の自分に会ったら‥‥、 |
糸井 |
説教してやるよ! |
坂本 |
かなり嫌いでしょ? |
糸井 |
嫌い! |
坂本 |
僕も。頭突きしちゃうかもしれない。 |
糸井 |
いじめない方がいいと思うよ(笑)。 |
── |
でも、矢野さんと3人でいらっしゃった
シーンっていうのは、
確実にあるわけですよね。 |
糸井 |
セットでは会わないですよ。
僕は、矢野顕子の愛人ですから!
3人で会ったことないよね? |
坂本 |
3人のシーンは覚えてないね。
どっかの事務所で会ったりは
してるかもしれないけど、
そんな程度。
‥‥終わっちゃったじゃない(笑)! |
── |
(切り込んで)
矢野さんていうのは、
どんな方なんですか? |
糸井 |
‥‥勇気のある人からどうぞ。 |
坂本 |
勇気? |
糸井 |
妻の話をしに
ここに来たってすごいと思うんだよ、
やっぱり(笑)。 |
坂本 |
でも、断ったらもっと感じ悪いでしょ? |
糸井 |
(笑)、や、
それを平気で言えるっていうのは! |
坂本 |
断れないし、
受けれども地獄、
受けねども地獄で、
やるしかないでしょう(笑)。 |
糸井 |
(笑)そうすぐに思えるのは、
偉いよ。やっぱり。 |
坂本 |
そう? |
糸井 |
うん。 |
坂本 |
そこはやっぱり、年の功でさ。 |
糸井 |
坂本くんは、その辺
大雑把なところがあるよ。 |
坂本 |
うん。かなり大雑把だね。 |
糸井 |
(おもむろに)
矢野さんは、どういう人ですか。 |
坂本 |
どういう(笑)? 天才ですね。 |
糸井 |
ああ、その言葉ですか。まずは。 |
坂本 |
そう思わない? |
糸井 |
うん。アッコちゃんって、情報をさ、
入れてる姿が見えないじゃないですか。
インプットが見えないんですよ。
あの人について、僕は。 |
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ニューヨークとかでは、
ライブとかすごくよく
行かれてるようですが。 |
坂本 |
それは情報を得に‥‥、 |
糸井 |
行ってるんじゃないよね。 |
坂本 |
楽しみで行ってるんでしょう。 |
── |
コンピュータとかが
すごく遠い感じがします。矢野さん。 |
坂本 |
遠い、遠い。 |