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ぜひ2巻に掲載したいメニューも
だんだんわかってきましたね。
餃子であるとか、
納豆をごちそうにする工夫とか、
肉じゃが、チャーハン、コロッケ、
シチュー‥‥。
あと、卵焼きはぜひにと思います。
これは、「ほぼ日」では紹介していたんですが
今回、「おむすび」をクロースアップしたので
卵焼きがこぼれちゃったんです。
なのであらためてきちんと
取材をしたいなと思っています。 |
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今回「卵焼き」として
まとめてしまったんですが、
みなさん出汁巻きが好きなんでしょうか。 |
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あと、甘い卵焼きもおいしいですよね。
いろいろあると思うので、
卵焼き器あるじゃないですか、四角い。 |
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はい。 |
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あれをちゃんと使って作るっていうの、
教わりたいです。 |
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そうですね。そうしましょう。
いろいろあるんですよ。
出汁とほんとに塩とちょっと薄口醤油と
みりんちょろっととかと、
出汁なんだけど甘さも結構しっかり入ってるのと。 |
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あと、江戸前みたいなのありますよね。 |
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あれは卵に砂糖と醤油で、
ごま油で焼く。 |
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出汁巻きができるようになったら、
それはもう夢。できたら夢。 |
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夢? そんなに? |
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できませんもん。 |
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たしかに、飯島さんみたいに、
きれいにはできない。 |
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それは毎日作ってましたからね。
高校生のときに2年間、
作りつづけてましたから。卵焼き。 |
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あ‥‥! その話、してくださいますか? |
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なんですかー(とぼける)。 |
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飯島さんがいつから料理じょうずになったのか。 |
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あはははは。 |
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そもそも飯島さんはいつから
料理をしているんですか? |
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小学生のときです。
うちの母が給食のおばちゃんだったので、
働いてるじゃないですか。
だから何か手伝ってみたいな感じで
料理を始めました。
母は仕事でも作っているから
おうちのごはんが、
めんどうだったのかな(笑)。 |
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じゃあ飯島さんの味のベースは
お母さんですよね? |
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そうですね。 |
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ということはお母さんも料理上手ですよね。 |
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はい、でも幼稚園の給食をつくっていたので、
薄味で、具が細かいんです。 |
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小さい口に合うように。 |
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じゃあ飯島家のおかずも具がちっちゃい? |
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はい。何かちょこちょこ。 |
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飯島さんの料理は、
ひとくちサイズが、おっきいですよね。
どっちかっていうと。 |
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反動かなあ? |
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本格的に料理に目覚めたのは、
たしか高校生のときだって
話を伺ったことがあるんですけど。 |
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いや、わー(笑)。 |
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え? |
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あ! すごくその話を
聞きたいんですけど!
きっと、あれでしょ? |
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あれですか? ふふふ。 |
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飯島さんが、何でこんなに
人に食べさせるご飯をじょうずにつくるのか、
そこにはきっかけがあったと思ったんですよ。
別に小学校からご飯作ってたっていっても
料理の道に行こうっていうのとは
また別じゃないですか。 |
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うん、別ですね。 |
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やっぱり、人が喜んでくれるっていうことと
自分で作るのが好きということが合わさって
今の職業だと思うんです。 |
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そうなんですよねー。 |
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そのきっかけの話を
実はちょっと聞いたことがあったんです。 |
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わたしが話したんですもんね。 |
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そうです。 |
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あれはちょっと秘密なんですけど! |
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(笑) |
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そのときの付き合ってた
ボーイフレンドに作ってあげたんですね。
お弁当を。 |
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言っちゃいました。 |
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すごーい。同級生に? |
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そうです。毎日。 |
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毎日? |
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そこに卵焼きが入ってたと。
あれ? 彼はお母さんの弁当は? |
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わたしが作ってるから持って来ない。 |
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つまり既に高校生にして
嫁の座を奪ってしまったということですね。 |
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(笑)。 |
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見えない嫁姑戦争が、 |
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そうかも?(笑)
それで、同じクラスなのに、
わたしがロッカーに入れて、
向こうがロッカーから取って。 |
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でも、あれー、飯島となんとかの弁当、
中身は一緒、みたいに
冷やかされたりとかは? |
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あ、まわりは、もう全部知ってるんです。
ただ、渡し方として。 |
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渡し方として。 |
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そうなんだー(うっとり)。
お昼に一緒に食べようとかいうのではなく、
受け渡しがあるんだー(うっとり)。 |
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自分の作ったものを
人と一緒に食べるの、
ちょっと照れくさいんですよ。 |
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美味しかったみたいな感想とかは? |
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ああ、もちろん毎日。 |
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毎日! まぁ! |
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もうすでに料理人だったんですね。
料理人の人は、
照れくささと嬉しさが
多分一緒にあるんじゃないかなと
想像するんです。
歌を歌う人とかもそうかもしれないけど、
目の前で人が気持ちよくなってるの見ながら、
もっと気持ちよくしてやれっていうのって、
不思議な仕事だと思うんですよ。
それだけにちょっと複雑な
心境ではあると想像します。 |
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当時、高校生ながらにそんな気持ちを! |
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そうですね。 |
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恥ずかしさも。 |
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当時、彼には何が好評だったんですか?
卵焼きとか? |
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そうですね。あとはからあげとかね。 |
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からあげも作ってたんですか。 |
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もうその頃から! |
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鶏のからあげは、
今回の単行本にも掲載しております。 |
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もうすごかったです。
最初はお弁当の構成を間違えて。
若かったんで。 |
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構成? |
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からあげに、ハンバーグとか。
メインのおかずばっかりだったんです。 |
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茶色いわ、ヘビーだわ。 |
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ちょっと何か野菜とか入れなきゃって
途中で気がついて。
自分が食べたいものばっかり入れてた(笑)。 |
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それはどのくらい続いたんですか? |
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卒業までの2年間です。
そういえば、ある日ね。 |
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はい。 |
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朝、お米がないことに気づいて。 |
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彼のお弁当がつくれない! |
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これは大変だと、父を叩き起こして
一緒にコンビニに車で買いに行きました。
当時は家の近くにコンビニがなかったので
八王子駅前まで行って。 |
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米を買いに。 |
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部活とかは? |
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最初、バトミントンやってたんですけど、
やめてしまって。 |
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じゃあ、お弁当部として
生きてたんですね。 |
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すごーい。 |
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彼はお弁当箱を食べ終えたら、
またロッカーに戻してくれるんですね。 |
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そうです。 |
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そんな幸せな高校生が! |
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贅沢。 |
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すーごい楽しそう。
ていうか彼になりたい。 |
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あたしも彼になりたいよ。 |
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2年間、人に食べさせ続けたって経験が
既に高校生のときにあったというのがすごいです。
しかも家族以外にっていうのが。 |
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でも何でそれを作ることになったのかは
全然覚えてないんですよ。 |
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ちょっと気になりますね。 |
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何かきっかけ、ないとね、作らないですよね。
なのに全く記憶にないんです。
考えてみたらうちの親も
食費が倍かかって大変でしたよね。 |
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ほんとですよね。 |
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食べ盛りのね、高校生ですし。 |
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しかもこっちが母とスーパー行って、
あ、これも作ってあげたい、あれも、なんつってね。 |
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お母さんは、あら、そうとか言って? |
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母はお弁当作んなくてよくなったんで、
よしとしていたのかも。
わたしは、自分のぶんと彼のぶんと、
わたしの姉のぶんまでつくってました。 |
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朝、じゃあとにかく朝いちばんに起きて、
お昼のお弁当用の料理をたっぷりするっていう
暮らしを2年したんだ。 |
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そうです。で、その彼に
「栄養士なんていいんじゃない」
って勧められて栄養士になったんです。 |
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えっ! |
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え、ボーイフレンドに? |
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そのボーイフレンドに。
しっかりしてる子で、
うちの母親が調理師だったんで、
そういうふうに女性は資格を生かして
働くっていいねって(笑)。 |
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それで栄養士になるための学校に行ったんですね。 |
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そうですね。
あまり考えていなかったな、弁当を作る以外。
(明日につづきます!) |