その2160 (2010-01-13)
あるところに甲と乙があって、甲は乙の言ったことを誤解したが、たまたま返事したそのことばは乙にとって筋の通るものだったため、表面上の会話は滞りなく進行した。それを第三者の視点から見て日本語の妙をたのしむというのが「かみ合わない会話」です。四の五の言うより、読むが早い。そもそものところでいえば、どちらがどう「まつがった」のか?そのあたり、見極めながら読むのも一興。どうぞ、最後まで、ごゆっくり。


うに好きの母が回転寿司で「うに半額」の貼り紙を見たけど本当に半額かどうか、うにの寿司を指差しながら念のため店員にききました。「すいませーん、これいくら?」「‥‥‥‥うにです」お互い意味がわからずこのやりとりを3回程繰り返したそうです。明らかに店員の聞きまつがいですが、うにとイクラを間違えるおばさんを見て、さぞかし驚かれたことでしょう。ちなみに母は半額でうにの寿司を食べてご満悦でした。(あきこ)


仕事の忙しさが一段落したある日、家族で近所の温泉に行きました。帰り道、家でお菓子を食べながらビデオでも見るか、ということになり、お菓子を買いにコンビニへ寄る。すると‥‥。夫「あ、ごめん元気なくなっちゃった。適当に買ってきてくれる?」私「え?」夫「うん、温泉でつかりすぎちゃったから」あーやっぱり疲れていたんだなーとか、温泉だから湯あたりしたのかなーとか、短時間の間に頭を駆け巡る‥‥。で、私「大丈夫なの?」夫「なにが?」私「は?元気ないって言うからー」夫「元気ないんじゃないよ。げ・ん・き・んがないの!!」私「温泉につかりすぎて元気がないんじゃないんだ!」夫「温泉で使いすぎて現金がないんです」(Maxon)


車の中にキーを閉じ込めてしまった冬の日。カギ屋さんに電話をかけ、状況や場所を一生懸命訴えた。するとカギ屋さんが一言。「車なんですか?」ちょっとー!今まで何聞いてたのよー!車よー!車に閉じ込めたって言ったじゃなーい!と内心憤慨しつつ、戸惑いがちな口調で「そ、そうです、車です!」と答えたわたくしに、カギ屋さんは冷静に言った。「車の種類は何ですか?」あ、そういう意味でしたか‥‥勝手に憤慨してごめんなさい‥‥。(bB)


私の職場であるパチンコ店では、開店後30分間、コーヒーの無料サービスをしています。その日、足早に店内に入って来たおじさんに「コーヒー飲み放題どこ?」と聞かれたので、「こちらです、どうぞ」と案内しました。しかし、そのおじさんは、「いやいや、コーヒー飲み放題どこ?」とまた聞くではありませんか。「ですからこちらです」と言う私に「コーヒー飲み放題はどこ?」とまだ繰り返します。「この人は何を言ってんだ?」としばらくそのおじさんの口元を見つめながら考えてハッと気付きました。「コーヒー飲み放題どこ?」ではなく「郷ひろみの台どこ?」だったのです。そのおじさんは、その頃店に導入されたばかりの郷ひろみさんをキャラクターにした新台「郷GoGoセカンドステージ」を探していたのです。これほどまで完璧に同じ韻を踏んだ聞きまつがいがあるでしょうか?異句同音とはまさにこのことだ!と思いました。(みえこ)

こんなややこしい話じゃなくていいんです。極めてシンプルな「言いまつがい」など、どのようなものでもけっこうですから「投稿する」ボタンをクリックして私たちにメールしてください。あなたの心に残るその愉快なエピソードを全国のみなさんと共有しましょう。それでは、また明日ー。
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