その2334 (2010-07-06)
あるところに甲と乙があって 甲の言ったことを乙は誤解したが 返した答えがたまたま合っていたため、 甲は乙に、乙は甲に、話が通じたと信じた。 けれども、互いのことばは次第にブレ始め、 しだいにやり取りはかみ合わなくなり、 とうとう両者が互いに相手のことばの 真意を確認する、ということにいたった。 これがいわゆる「かみ合わない会話」である。 いったい、どこでどうかみ合わなくなるのか? 原因を探りながら読むのも一興。


課長に、初めて行くお店に 連れて行ってもらいました。 「どこにあるんですか?」 「○○病院の2階」 「へー、病院の2階に  お店なんてあるんですか?」 「『2階』じゃなくて『向かい』だよ」 「何料理ですか?」 「新鮮小皿料理」 「へー、新鮮って‥‥?」 「『新鮮』じゃなくて『四川料理』ね」 (かみあわない上司と部下)


居酒屋にて、隣のテーブルの 男女の会話が聞こえてきました。 女「藤沢周平の小説でね〜」 男「藤沢周辺? 鎌倉とかの話?」 女「いや違う。藤沢周平よ。しゅうへい」 男「だから藤沢周辺でしょ?   鎌倉とか茅ヶ崎の方でしょ?」 女「違うって! ふじさわ! しゅうへい!」 男「‥‥? 藤沢周辺? だよね?」 女「しゅ・う・へ・い!   い! い! い、だよ、い!」 きっと時代小説の話をしたかっただろうに、 その後、会話は成り立ったのか笑いをこらえるのに必死で聞きそびれました。 (池波正太郎ファンのボブテイル)


バレーボールの試合中のこと、 セッターに「疲れてる?」 と聞かれ 「全然、平気」と答えると、 なぜか不思議そうな顔。しばらくして 「いや、ブロックに(付かれてる?)」と。 あ、そっちね‥‥。 (正直疲れてました‥‥)


表紙のかわいさに一目惚れして 衝動買いした文庫本を、 ダンナがパラパラめくりながら 「詩集やな」と言いました。 「え? 小説やで」 「違う、表紙が‥‥」 刺繍だったんです。 (いしいしんじ著「ぶらんこ乗り」)


デパートのCMを見ながら ちょっと離れたところにいた母に 「北海道物産展やってるってよー」 と教えてあげたら、 「あー、言いたい放題  だったもんねー!」と。 ‥‥は? 「全く好き放題言って!」 ‥‥何の話? 「国会答弁でしょ?」 北の大地からなんでか霞ヶ関へ。 (R)


娘(3歳)がコブラの絵を描けと私に言った。 コブラ? 彼女とのやり取りの末、 彼女の求めていたものは 「ふたこぶらくだ」であることが判明。 (ぶっち)


個別指導塾の講師をしていたときのこと。 中二の生徒が 「センセイ、写真ちょうだい」と。 内心「このませガキめ」と思いつつ、 「いやよ!」と言うと 「え〜ちょうだいよ、たくさんあるでしょ」と。 「やだってば!!」 「だってオレのもうないんだもん!  写真1本ちょうだいよ!」 ハタと気づきました。 「写真」ではなく「シャーシン(シャープペンシルの芯)」 のことでした‥‥。 (気持ちは永遠の十代)


友人は「蝶々夫人」の話をしていたのに、 私は「お蝶夫人」の話をしていた。 なぜ、かみ合ってたのか、よくわからない。 (エースをねらえてない)

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