和菓子屋の手。

実家で羊羹づくりを教わってる武井です。

「手を見ろ」
と父がいいます。

なんのこっちゃと思ったら
「和菓子屋の手は柔らかいんだ」
と。
「それから、いつも深爪だ」

職人は手が、そういうふうにかわっていくんだそうです。

いまどきの和菓子づくりはビニールの手袋をつけますが父が現役のころは直接、手でやっていたそうです。

「あとな、職人は坊主、 手のうぶ毛は剃る。
 おれはもともと薄いがな!
 あとな、作業中は 指輪、時計、いっさいダメだ。
 女のマニキュアもダメだぞ!」

と、ちょっと親方モードになってきました。


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