border=


ばあやでございます。

いつも、花の手紙を読んでくださり、ありがとうございます。
ばあやです。

早いもので、昨年の夏から始まり、四回目の連載になりました!
いつも、優しい、あたたかい感想をありがとうございます。
本当に。

花は、今年の夏に10歳になりました。
ラブラドールの10歳は、けっこうな高齢だそうですが、散歩をしてると、まだあかちゃんですか、と言って下さる方もいるほど、元気です。

しかし私は、花が実際に子供だったときの、ちいさな怪獣のようだった元気さをよ〜く覚えているのでだいぶ大人しくなったなあ、とか歩くのが遅くなったなあとか、思うことが多くなってきましたね。

考えてみれば、この10年間、同じ道を、毎日花と歩いてきました。

ここの桜はきれいなんだよね。

ここの金木犀は見事だね。

ここのおうちの柴犬君は、ものすごく元気だよね。

ここからの景色は最高だね。

そんなことを、わたしは無意識に花に話しかけながら歩いています。

あたりまえのように隣を歩いてくれる、茶色い毛皮の生き物が、ずっと一緒にいてくれるわけではないことをふと感じ、ああ、今この瞬間に感謝しようと思うことも、多くなりました。

あ、心配しないでください。
花は元気です。どこも悪くないです。

でも、彼らの一生を、やはり見据えて、一緒に生きて行かなくちゃなあと、ばあやは思うのです。

猫たちも、ああみえて実はもう14歳とか・・・なので、みんな元気でいてね、と毎日願いながら生活しています。

でもでも。
動物たちの素晴らしいところは、
「今この一瞬」を生きていることです。

人間だけが、過去や未来に気を取られ、今を忘れてしまう生き物のようです。

今、今、今の積み重ねで時間は出来ていて、ほんとは「時間」というものは存在しないそうです。

と哲学的になってしまいましたが、本当に、今みんなが元気でいることがどんなに幸せなことか。
ふと心の奥でかみしめる、私でした。

花、いつもありがとね。

私のことを好きでいてくれてありがとう。

元気で暮らそうね。

みなさま、慌ただしい毎日ですが、健やかな年末年始をお過ごしくださいね。

いつも本当にありがとうございます。

石田ゆり子より。

前へ 次へ

目次へ    
前回のはなちゃんへ
感想を送る
友だちに教える
ほぼ日のTOPへ