[飯島]
料理はこれが、最後です。
とうがらしを漬け込んだしょうゆを、焼き野菜にかけました。



[糸井]
へぇー。

[飯島]
甘みがあって、おいしいんですよ。

[清水]
辛そうに聞こえたけど‥‥あれ、甘い? おいしい!

[糸井]
へえ、はじめてだこれは。
おいしい。
いちいち、やるなぁ。
酒飲みだったら飲むねぇ。
焼いてるんですね、野菜は。

[清水]
フライパンで焼いてるんですか。

[飯島]
はい。
太白胡麻油をちょっとだけひいて。



[糸井]
ああ、いいね。

[清水]
焼き野菜って、意外とやんないですよね。
いいですね。
飯島さんの料理って、
「どやさ!」っていうのがないですね。
見た目も。

[糸井]
そうだね‥‥しまった!
大根おろしが!

[──]
ん? つくねに戻ってるんですね。

[糸井]
いま、つくねを食べるのに、大根おろしを、忘れててさぁ。

[清水]
つくねに黙って戻ってたのよ。

[──]
それはひどい。

[清水]
ははははは。

[糸井]
(笑)申し訳なかった。
これで最後とわかったんで、全体の分量を考えてつくねに、戻ってもいいなって。
(サラダの残りを指して)
清水さんこれ、半分いく?

[清水]
もう大丈夫です。

[糸井]
じゃあ、食っちゃっていい?

[清水]
うん、全部どうぞ。



[糸井]
(うれしそうに)悪いねぇ!
いやー、申し訳ないねぇ。
あ、イカもあったよ?

[清水]
大丈夫です。いただきましたよ。

[糸井]
悪かったねぇ。
こんなねぇ、ばちが当たるよ。

[清水]
ほんとおいしいね。

[糸井]
うん。
いっぱい『バッタもん』の取材って受けた?

[清水]
あ、ちょこちょこありましたよ。

[糸井]
そう。
一番やりたいことってこういう(CDをつくる)ことなんでしょ?

[清水]
CD、うん。
コツコツやって、その姿を見られないのが好き。

[糸井]
ほー。

[清水]
テレビとかは顔が出ちゃうけど、ラジオとか、こういうのとか、ナレーションとか、顔が出てないほうが、やっぱり自由ですね。

[糸井]
うんうん。
もともとが、顔が出ない商売をしてた時代があるわけ?

[清水]
うん。



[糸井]
そこが本家なの? 自分の。

[清水]
本家かな?
でも、そのあとライブもはじめて、ライブも大事な感じはするんだけど、でも、やっぱり声かな。
声で何かするのはすごく好きですね。

[糸井]
『冗談画報』がデビューなんですか、テレビの?(*)
*『冗談画報』は、1985年〜88年に放映されたフジテレビ系のバラエティ。
泉麻人さんの司会で、まだ世に知られはじめたばかりの芸人やミュージシャンを、時間をたっぷり取って紹介していた。
ダウンタウンや、ウッチャンナンチャン、野沢直子、ワハハ本舗、スチャダラパー、電気グルーヴ、YAPOOS、米米CLUB、聖飢魔IIなどが登場。

[清水]
そうです、そうです。

[糸井]
ぼくはそれ見てるんです。

[清水]
オンタイムで?

[糸井]
たまたま。

[清水]
へぇー。

[糸井]
デビュー当時から、プロみたいでしたよね。

[清水]
態度がでしょ。

[糸井]
うん!

[清水]
(笑)。

[糸井]
自分でもやっぱりそう思いますか?

[清水]
うん、VTR見て、そう思いました。

[糸井]
すごいよ。
だから、あのときには、もう舞台とか、けっこうやってたって感じがしていて。

[清水]
そんなこともないんですけどね。
だけど、心の中でリハーサルしてたんだと思う。
小さいころ、高校時代とか。
部屋に帰って、桃井かおりさんになったりとか、矢野顕子さんになったりとか。
そういうこと、よくやってたのでね。ひとりで。


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