言いまつがい

フロリダでの仕事が終わり、現地のアメリカ人仲間と打ち上げをしていた時の事。
お土産の話しになり、
「お前自身の為には何を買うつもりか?」
と聞かれました。
私は頭が薄くなり始めていたので、
「ロゲイン(日本名『リアップ』)」
を買うつもりだったのですが、その名前がなかなか出てこなくて、『何だっけ、血行を良くして、 改善してくれるあれは‥‥』と考えた末、思い出したつもりで、次のように言いました。
私「バイアグラを買って帰る」
(勿論、自分ではきちんと 「ロゲイン」と言っているつもりでした)
仲間「そんなに深刻なのか?」
私「うん、このざまだ」
(両手を「お手上げのジェスチャー」しながら、 頭のてっぺんを見せました。
 しかし、彼らにはその仕草が、 あたかも私が自身の下半身を見下ろして、 お手上げしている、という風に見えたのです)
仲間「まだ、お前若いだろ、もうだめなの?」
私「いや、もう薄くなって‥‥」
(普通英語で
「my hair is getting thinner」
 と言いますが、私はhairを省略して
「mine one is getting thinner」
 と言ったのが悪かったのです。
 thinとは「細くなる、薄くなる」
 という意味あいですが、 勿論相手には「髪の毛」ではなく 「別のモノが細くなった」
 という風に聞こえるわけです)
仲間「Well, how often  do you want to do it? (そうか。で、どのくらいの 頻度で致したいのか?)」
私「(私としては『ロゲインを どのくらいの頻度で使うのか?』 と聞かれたと理解しましたので)
 twice a day!(1日2回!)」
と堂々と断言します。
仲間「わお! そんなに?」
私「Yes, every morning and evening.  It is minimum requirement. (イエス、朝晩1回ずつだ。
 これは最低決まっている事なのだ)」
再び堂々と断言。
仲間「(呆れて)you are like an animal」
と笑います。
私「(この時点で「何かおかしいな」と 思ったのですが、未だこちらとしては 髪の毛の話しをしているつもりですから、 『animal? ああ、獣は毛深いからな』 と勝手に理解して)
 yes, my wife likes hairy one. (うん、妻は毛は多いのが好きだから)」
と、またも肝心な名詞をoneで省略して返事してしまいました。
私が頭に手を当てながら話すのを見て、ようやく仲間も
「お前、ロゲインの話ししてるの?」と気づき、大笑いになったのですが、ひどい言いまつがいもあったものです。
それも私の下手な英語が災いして、きれいに会話がずれたまま進んで行く、というおもしろい経験でした。

(Ken)


2014/04/09
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