数学の授業中。 その日の授業は確率問題の解説でした。 サイコロを投げる問題で、みんな熱心に授業を聞いていました。 そんな時、私の耳に飛び込んできた先生のことば。 「え〜、こうなるから、 サイコロの出の目方は‥‥」 ん? 「出の目方」? 一瞬、私の聞き間違いかと思いました。 しかし 「つまり、出の目方がわかって、 あとはこの出の目方を使えば 確率が求まるよね」 先生は「出の目方」を連呼。 「目の出方」が正しいよね? と今度は自分が疑わしくなってくる。 考えれば考えるほどおもしろくなってくる。 でも、周りは真剣な表情。 静かな教室。こみ上げる笑い。授業は残り20分。 先生に指摘することもできず、必死に笑いをこらえる私。 「ここまでで何かあったら言ってください」 あぁ‥‥言いたい! 先生! 「出の目方」じゃなくて 「目の出方」だよ! しかし本人が全く気付いていないだけに、さらに言いにくい。残り10分。 もういい。「目の出方」じゃなく、「出の目方」が正しいと思うことにしよう。 こうしてなんとか私は静かな教室で一人笑いだすことなく授業を終えることに成功したのです。 授業後、気が済むまで笑い倒しました。
(実は私と同じ状況の子が何人かいた)
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