まつがい

30年くらい前、就職したての頃でした。
子供の頃ダイジェスト版で読んだだけの『モンテ・クリスト伯』をちゃんと読もうかとふと思い立ち、文庫本を買いました。
大長編で文庫本6冊あるので、とりあえずこれくらいでいいか、と1〜3まで。
読み出したらこれが超ど級の面白さでやめられない。
3冊すぐ読み切ってしまい、続きを買いに走りました。
4、5はあったものの6がない。
しかたないので2冊だけ買って帰りましたがこれも1日1冊ペースで読んでしまい、6を探して近隣の本屋を馳せ巡りました。
30年前のこととてアマゾンなどむろんなく、田舎なので本屋自体が少ない。
隣の市まで車を飛ばし、大きな本屋に駆け込んで『モンテ・クリスト伯』を‥‥あったあった、6、あったぁ!
意気揚々と買って帰り、さ、読もう! と袋から出したらなぜか『レ・ミゼラブル』の6巻が。
何が起こったのか訳が分からず、しばし呆然。
『モンテ』も『レミゼ』もフランス文学だから、並んでおいてあったんでしょう。
6冊ある文庫本なんてそんなにないのに、並んで置かなくたってぇ!
あのショックは、30年経っても忘れません。

(ダンテス)


2016/11/12
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