30年くらい前、就職したての頃でした。 子供の頃ダイジェスト版で読んだだけの『モンテ・クリスト伯』をちゃんと読もうかとふと思い立ち、文庫本を買いました。 大長編で文庫本6冊あるので、とりあえずこれくらいでいいか、と1〜3まで。 読み出したらこれが超ど級の面白さでやめられない。 3冊すぐ読み切ってしまい、続きを買いに走りました。 4、5はあったものの6がない。 しかたないので2冊だけ買って帰りましたがこれも1日1冊ペースで読んでしまい、6を探して近隣の本屋を馳せ巡りました。 30年前のこととてアマゾンなどむろんなく、田舎なので本屋自体が少ない。 隣の市まで車を飛ばし、大きな本屋に駆け込んで『モンテ・クリスト伯』を‥‥あったあった、6、あったぁ! 意気揚々と買って帰り、さ、読もう! と袋から出したらなぜか『レ・ミゼラブル』の6巻が。 何が起こったのか訳が分からず、しばし呆然。 『モンテ』も『レミゼ』もフランス文学だから、並んでおいてあったんでしょう。 6冊ある文庫本なんてそんなにないのに、並んで置かなくたってぇ! あのショックは、30年経っても忘れません。
(ダンテス)
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