ポポー

取引先の方より、贈りもので、りんごをたくさんいただきました。
秋映、シナノゴールド、シナノドルチェ、アルプス乙女など、いろんな種類のりんごが入っていてみんな大感激。
なかよく分けて、いただきました。
箱をよく見ると、そこにひとつちいさなくだものが入っていました。

ポポーと書いてあります。
みんな、この見知らぬ果実には手をのばさなかったので、りんごの山分けに出遅れた
「じゃ、ぼくはこれをいただきます」
と言って、それを手にしました。

そこにいた4人の女は、
「すぐに食べてくださいって 箱に書いてあるよ!」
と、指摘しました。
そうです、この者たちは、自分が知らない果実に手を出すのは怖い、それよりはりんごをもらった、けれども、味見をぜひともしたい、そう思ってそこに居残った面々でした。

は、4人の強い視線に促されて、皮をむいて食べはじめました。

当然、くれるのだろうな。

と思っていましたが、オカムラは案の定気づかず、
「これはなんと言っていい味かな。
 すごい勢いで種が出てくるんだけど、 えーと、南国っぽい味です」
と、つかみどころのない感想を言うのみでしたので4人声をそろえて、


「ひとくちちょうだい」

と言い、奪い取りました。

ぱっと見、焼き芋のようなそのポポーは、とてもやわらかく、バナナのような、パパイヤのような、あっさりしたマンゴーのような、日本じゃない甘さなのだけれどもそんなに重くない、というやさしい味がしました。

採れたてでしかきっと味わえないこの完熟のやわらかなものを混ぜて送ってくださった方、ありがとうございます。
ごちそうさまでした。

2013/10/15 18:59

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