足音

私は、仕事が佳境に入ってしまうとヘッドフォン、イヤフォンの類を着用する傾向があり、ひどいときには耳栓、その上からショールを頭に巻くことすらございます。

それでも、用があって近づいてくる人のことは、足音で分かるようになっております。

あ、自分に向かって、来る、来る、この人は急いでいる用事だ、さっきの件を確認しに来たんだ、そういうときは、ババババッとイヤフォンやショールを脱ぎ捨て
「はい、なんでしょう」
と高速で言うようにしています。

でも、ときどき、来た、来た、こいつは用もないのに来た、という場合があるんです。
そういう足音は、わりとゆっくりですのでわかるのです。
ううー、いまこのときに限って!
と思って振り向くとでした。


「なんも、スガノさんに 用があって来たわけやないがな」
やっぱり。


「でも、言われてみたら 最近、社内をぶらつくことが 多くなってきたな。
 これは自己の高齢化と いうことかもしれん」

やめてください。
ずっと現役でいてください、ハリさん。
カステラを食べている場合じゃありませんよ。とだけ言ってまたイヤフォンを耳に刺す私でございました。

でもこの「足音のはやさ」についてはハリーと私のなかでひとつの問題提起となりました。
くわしくは、またいつの日か、つづきを。

2015/02/19 16:20

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