ケンケンケンケン‥‥

先日の夜のこと。
ひとけが減ったオフィスに、ちーいさな音がした。

ケンケンケンケン‥‥

乾いた、高ーい音で

ケンケンケンケン‥‥

なんだろう?
あたりを見回すと、ひとりのおとこが、やや猫背に耳をそばだて立っていた。
その男の名は

たまたま、乾電池と乾電池を接触させたら、バリのヤモリみたいなトッケー(ゲッコー)の鳴き声に似ていたそうで、バリ気分になったんだそうです。
(ふつうは、”たまたま”電池と電池を 接触させないと思う‥‥)

「プラスとプラスですか?」
と質問してみたら、


「そうね、プラスとプラスだね。
 あ!
 ‥‥マイナスとマイナスのほうが ‥‥似ている!」

ひとけのないオフィスに、とわたしの笑い声がひびきわたり、トッケーの声は、かき消されたとさ。

2016/02/24 18:02

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