ジェニーの マジックショー?

突然、デスクのモニターの向こうから、なにやら銀色に光る、でっかい丸いものが何度も飛び出したり、引っ込んだり。

「なに、なに? マジック?」

となりの席のちゃんと、不思議に思って身を乗り出して、向こう側をのぞいたら、ちょうど、われらの向かいの席の、ジェニーが、撮影に使う「レフ版」をたためずに、ひとりで格闘しているところでした。

見かねた、隣の島の教官、何度たたもうとしても、バーン! と元に戻ってしまうへっぴり腰、ジェニーのために、レフ版のたたみ方を、即席講習。

「こう、ぐるっ、とねじるんだよ。
 いや、からだをねじるんじゃなくて、 いや、からだはそのまま。
 手がからまっちゃってるよ。
 そうそう、そんな感じ。ありゃ?」

このレフ版、もうすぐ新しくする、
「社員名簿」用の乗組員の写真を、年に一度、弊社に撮ってもらう「恒例行事」のために、用意していたとのこと。

まわりのエールにはげまされながら、格闘を続けるジェニー。

(←ホントは真剣な表情!)
「ウ・ム・ム・ム、うーん、むぎゅううぅ、 クゥーーッ、ぐぇえええ、んーーーんっ」

パサッ(たためた音)

「や、やったあ!」

入園の日に、はじめて自分で、ボタンをとめられるようになった園児を見ているような、そんな、春の午後でした。

たいへんよくできたました。
(はなまるマーク)

2011/04/07 18:10

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