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質問 七

ぼくは独りきりで何もすることがないとよく考えごとをします。
つらいことがあったときは特にそうです。
なんで考えごとをするのかというと、たぶん
「わからない」ということがあって、それを見つめなおして乗り越えたら、もっとよくなれるって心が無意識に感じてるからなんじゃないかと思っています。
うまく表現できなくてすみません。

考えごとが結論に行き着いたときは、いろんなことに気づくことができて、自分が成長できたなと思えて、すがすがしい気持ちになって、人生が楽しく思えるようになれます。
だから、考えごとはいつもしたいなと思うのですが、ふだんは疲れが上回ってしまったりして、思うように自分を見つめなおすことができません。

小説家など、自分からひねりだすようにものを作り出す人や天才と呼ばれた人や偉人は絶対に深く考えごとをしていたようにぼくは思います。
谷川さんも、よく考えごとをするのではないかと思いますが、どのようにして時間を作ったり、考えごとに至るまでの気分を作り出しているのでしょうか。

(JSM 十五歳)

谷川俊太郎さんの答え

ぼくは考える時間があろうがなかろうが、毎日生活しながら断片的にですが、絶えずいろんなことを考えてると思います。
考えごとと言えるような、まとまった考えにふけることもありますが、そういう考えには簡単に結論が出ないので、何年もああでもない、こうでもないと考えを引きずって生きていくことになります。
君は時間があるときどんなことを考えるんですか?
ほんとに考える必要のあることなら、自然にそのことからアタマもココロも離れなくなってしまうと思うのですが、君の〈考えること〉を考える態度にはゆとりがありますね。
考えることが好きなんだと思う。
論理学とか哲学の勉強をするといいかもしれない。


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