質問 十二
動物園にいる動物は、みんな適度に距離を保って生活しています。
野生の動物もそうだと思います。
人間は、法律や国境というルールを作らないとやっていけなくなります。
しかし、特に草食動物たちは、近づいていくけど、近づきすぎないで、いっしょに住む仲間になれる。
彼らはいったい、それをどこで学んだのでしょうか。
(石井淳子 二十八歳)
谷川俊太郎さんの答え
「学んだ」というと人間のように頭脳を使って学習したみたいだけど、動物の場合は長い長い進化の過程の中で徐々に身についてきた、とでも言うしかないのかなあ。
アタマだけじゃないよね、カラダぐるみの知恵だよね。
きっと近づきすぎてけんかになったり、殺されたりした現実を何千万年(?)ものあいだ体験してきて、それがだんだん遺伝子に組み込まれて本能になったんでしょうかねえ。
これ学説じゃなくて単なるぼくの妄想ですけど。
人間にも草食動物めいた距離感覚をもってる草食男子っているけど、これは距離をとりすぎる傾向にあるみたい。
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