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第1回 糸井重里、禁煙8年目。
[糸井]
いいタイミングですよね、語るには。
[永田]
はい、ちょうどいい。
[糸井]
さっとツイッターで流したところ、そうとう反応もあったし。
いま、話すべきなんでしょうね。
[永田]
わかりやすいきっかけは、やはり値上げです。
10月1日にがつんと大きな値上げが。
[糸井]
100円とか上がったんでしょう?
いま、いくらなんですか、だいたい。
[永田]
糸井さんの吸っていたピースライトは1箱440円になってます。
[糸井]
へぇ、440円。そうですか。
[永田]
ちなみにぼくの吸っていたキャスターは410円になってました。
吸い始めたときは、たしか220円とかでしたからほとんど倍になってます。
[糸井]
月日は流れ行くね。
やっぱり百代の過客だね。
月日は百代のカカクにして、価格は値上げですね。
[永田]
今日は1対1の雑談なので心置きなくそういうダジャレを無視できます。
[糸井]
まぁ、ともかく。
[永田]
満を持して。
[糸井]
うん、満を持して。
[永田]
糸井さんが禁煙したころから
「これはコンテンツにしなきゃ!」と言い合ってましたからね。
[糸井]
まさに、満を持してですね。
[永田]
ちなみに糸井さんの禁煙がスタートしたのが2003年の8月。
[糸井]
8月2日です。
[永田]
ですから、ええと7年と2ヵ月。
8年目ですね。
[糸井]
もうさぁ、言ってもいいよね。
「イトイの禁煙は信用できない」
とは言われないでしょう。
自分からの声も含めてさ。
[永田]
もう大丈夫だと思いますよ。
[糸井]
仮にね、7年経って吸ったからって
「禁煙を語る資格はない」
なんて言われないんじゃないかな。
まぁ、吸わないですけどね。
もったいないですから。
[永田]
そう。
めんどくさいから、もう吸わない。
[糸井]
永田くんは、やめてからどのくらい?
[永田]
ぼくは、2年9ヵ月。
今年の年末で丸3年になります。
[糸井]
あなたも大丈夫でしょう。
[永田]
たぶん(笑)。
ですから、まあ、やめたぼくらの立ち位置としては、まず、タバコの両方の側を知っている。
[糸井]
知ってますねぇ!
もう、吸い尽くしましたね(笑)。
[永田]
ははははは。
何本ぐらい吸ってましたか。
[糸井]
多いときは1日に80本ぐらい吸ってました。
[永田]
80本。4箱。
[糸井]
だから、カートン買いですよね、当然。
で、カートンの残りが少なくなると、
「あ、もうタバコがない」と思ってましたから。
[永田]
すごい(笑)。
ぼくは、ゲーム雑誌にいたときの取材で糸井さんにはじめてお会いしたんですけど、ゲーム雑誌は、基本、子どもも読むので、タバコを吸ってるところはなるだけ写らないようにするんです。
でも、糸井さんの取材のときの写真は、なにしろタバコが写ってない写真がない(笑)。
[糸井]
なるほどね(笑)。
ずーっと吸ってましたからね。
職場でも、家でも。
[永田]
そうですね。
[糸井]
授業サボって屋上でも吸ってましたし。
[永田]
『トランジスタラジオ』。
[糸井]
♪じゅぎょぉおをさぁぼぉってぇぇ〜。
(忌野清志郎さんのマネ)
[永田]
(無視して)
あのころを思い返してみて、どうです?
[糸井]
うーん、なんていうだろう、吸ってたっていうことはたしかなんだけど、
「あのころはよかったなぁ」っていう気持ちにはならないですね。
[永田]
あ、そうですね。たしかに。
懐かしくない。
[糸井]
懐かしくはないです。
[永田]
「吸いたい」は?
[糸井]
「吸いたい」は、あります。
たまにふっと思い出すのは、
「ここは煙草吸いどきだな」っていう気持ち。
[永田]
そうそうそうそうそう!
まったくおなじです、それ(笑)。
[糸井]
ははははは。
「ここのタバコはうまいんだよな」
っていう場面が。
[永田]
そうなんですよ。
日常習慣としてのタバコをやめたあとは
「タバコを吸うべきシチュエーション」がときどき訪れるんですよね。
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