2025-04-22

・会社というのは、もちろん教育の場所ではありません。それはわかっているのですが、会社で「教える」ということも多少はあります。そして、会社は、「育つ場所」ではあると思うのです。子どもの場合は、身体も育つのですが、大人になっても「技術」とか「可能性」は育ちます。それはもう、40、50歳になっても育つものです。いや、ほんとは60、70歳でも80歳でも育つでしょう。教えるシステムが確立しているとかも大事でしょうが、大人になってからの「育つ」は、「育つ人たちを見て育つ」ことが多いように思います。

スポーツのチームだとかでも、近くに「すごいやつ」憧れるような選手がいることが、それぞれの選手たちの力を向上させるといいます。憧れて見ていることで技術を学ぶとか盗むこともあります。日頃の練習方法や、意識のありよう、モラルなども、見習いたくなる選手がチームに何人もいたら、それはもう、そのチーム全体が育っていくことでしょう。そして、おそらくみんなに憧れられている選手は、本人もさらに「育っている」のだろうと思います。

スポーツにかぎらず、たいていの仕事場で、「育つ人たちを見て育つ」ということがあるでしょう。どこにも「あの人いいなぁ」と尊敬できる人はいます。先輩にも、同期入社にも、後輩にも、取引先にも、まねしたくなる姿勢の人、活動をしている人はいます。そういう人がいっぱいいると、だんだんと会社という組織、チームが育つでしょう。

・ほんとうは、仕事そのものに関わっている時間よりも、その前後の考えやら、準備やら寄り道のなかに、人の「さすが」と思われる要素が多いのです。しかし、そういう場面はたいてい個人の時間にあるので、他人からはなかなか見ることができないんですよね。ここ2年ほど「ほぼ日」でやっている「道場」というのは、とにかく「出し合う(道場的にいえば投げ合う)」場です。あらゆる年齢、職歴、職種、関係なく考えを出し合う。目的とか結論とかはどうなってもいい、そして来週に続く。「道場」は、会社のなかの「共育」の場かもしれません。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。思えば、ぼくはいつもじぶんに「育つ」ことを望んでいます。

感想を送る
ほぼ日のTOPへもどる