2010.03.13
ほぼ日手帳につけた観察日記をきっかけに、虫の本ができました。(1/3)
ほぼにちわ、です。
3日間にわたりお送りした、
神村学園高等部3年8組のレポートにつづき、
本日は「春の公式ガイドブックスペシャル第4弾」、
「ほぼ日手帳」に「虫の観察日記」をつけている
鈴木海花さんの手帳(『公式ガイドブック』p. 72〜73)の
その後をご紹介します。
「わたしのほぼ日手帳、ぐんぐん育ってます」と
海花さんからメールをいただいたのが、
昨年の夏の終わりのことでした。
観察日記もそのものもそうですが、
虫の本を企画中、それに「ほぼ日手帳」も収録されるといいます。
それは、とてもたのしみです!
本ができたら、ぜひ見せてくださいね、
とお願いしたのはもちろんのこと。
そして季節は巡り、いよいよこの春、
刊行のお知らせが届きました。
本のタイトルは『虫目で歩けば』。
サブタイトルには、
「蟲愛づる姫君のむかしから、女子だって虫が好きでした。」
とあります。どんな本なのでしょう。
できたての本を見せていただきながら、
『虫目で歩けば』と、手帳のその後について、
お話をうかがってきました。
きっかけは「ほぼ日手帳」
[ ーー ]
拝見するのをたのしみにしていました。
かわいい表紙ですね!
[ 鈴木 ]
ありがとうございます。
表紙は自分で刺繍したものを使ってるんですよ。
▲表紙には、海花さん手作りの羊毛ししゅうで、
擬人化された虫たちが。かわいい!
[ ーー ]
すごい、素敵です。
じゃあまず、この本を出されたきっかけから
あらためてうかがえますか?
[ 鈴木 ]
いつか自分なりの虫観察の本を
作りたいというのはずっと思っていたんです。
ただ、こういう本って、
出版にこぎつけるのはなかなか
むずかしいだろうなと思っていたので
自分では、すぐにどうしようとかまでは
まったく考えてなかったんですね。
虫観察の本といっても、
昆虫採集とか、サイエンス系の虫の本ではないですし。
それが、去年「ほぼ日手帳」に
虫の観察記録をつけはじめて、
この手帳を知り合いの編集者が見て、
これはぜひ本にしたらいいよ、って
勧めてくれたんです。
だから、きっかけといえば「ほぼ日手帳」ですね。
こうして本ができたのは
手帳につけた虫の観察記録があったから。
そのくらい「プレゼン力」みたいなものが
この手帳にはありました。
[ ーー ]
女性がたのしむ虫の本って、
あまり類書はないでしょうか。
そもそも、虫が好きな女性が珍しい?
本の最初にある「はじめに」の文章にも、
「虫好き大人女子はけっこう孤独だったりします」と(笑)。
[ 鈴木 ]
そうなんです(笑)。
でも、よく虫の観察に
都内の植物園や公園に行くことがあるんですけど、
そうすると20代、30代の女性が
けっこうひとりでいらしてるんですね。
わたしが樹のそばで虫を見ていると、
「なにかいるんですか?」と
声をかけてくださるかたもいて。
「へえ、こんなところに
こんなのがいるんですね」って。
虫って、虫と聞いただけで「ほんとにダメ」という人と、
すごいマニアックな昆虫好きの人と、
極端にわかれていると思うんです。
でも、わたし自身は、そのあいだの層。
編集担当のかたが本の紹介文に
「文系『女子目線』」と書いてくださったんですが
珍しい虫を追いかけて昆虫採集に行くような、
がむしゃら力づく系ではないんです。
[ ーー ]
なるほど。
[ 鈴木 ]
あくまでも、自分の回りで、
近くに寄ってみると何かが見えてきて、発見があって。
そういう喜びが自分のなかにあるので
それを表現してわかちあえれば、と思ったんです。
不思議だねとかきれいだね、とか、
ひとといっしょに喜ぶのが好きなんですね。
なんでもそう。
たとえばおいしいものがあって、
それがひとつしかなかったとしたら、
ひとつ全部自分で食べるよりも、
みんなでわけて食べるのが好きなんです。
[ ーー ]
去年取材でおじゃましたときにも、
みんなで大騒ぎしてしまいましたけど、
見せていただいた虫の写真が
なんだかすごくかわいいんですよね。
近くに寄ってみたら、
虫ってこんなにかわいいんだ、
というのにまずびっくり。
しかも、都内の庭や公園に
これほどいろんな虫が来るなんて
まったく知りませんでしたし。
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