最初にお聞きした
「頭、心、気分、そして手相」
に関係する話なんですが、
たとえば、思わぬところから
面白い話がきたとしますよね。
あるいは素敵な出会いがあったとする。
そして自分としては
それは乗った方がいいと思っている。
それは心の話ですね。
気分も、よい「ざわざわ」がある。
ところが頭で考えると、環境的には
ちょっとそれやったら
まずいんじゃない? っていうような
仕方のない制約があることがわかっている。
‥‥けっこう、そういうことって
あると思うんです。
そういうことも手相に出るんですか。

そうね、出ますね。
感情線と頭脳線です。



感情線ていうのは、心。
自分の感情を心がどういうふうに感じるか。
ああ、あの人、大好きだわ、
あるいは、ああ何だか運気を変えていきたいわ。
そういう感情ですね。

だけど今、こんな不景気なときに変わっても、
もう就職できないんじゃない?
であるとか、
あの人と付き合ったらヤバいんじゃない?
というような、そういう考えっていうのが
頭脳線に出てきます。

頭、心、気分が、ばらばら。
そのことが手相にも出ている。
そういうときって、
どうすればいいんでしょう?

そう、心、体、頭っていうふうに
人間ていうのは、ちょっとばらばらになっている。
それを全部ごっちゃにしちゃうと
分かんなくなっちゃうから、
まず、ばらばらに考えたほうがいいですよね。

心よ、心よ、心さん、
ああ、感情はこうだわって思いっきり思う。

あとは理性ではどう思ってるのか。
自分にはどういう考えがあるのか。
恐れっていうものがあるのか。
考えて書き出してみてもいいのかもしれない。
そこでどういうギャップがあるのかって、
またそれを考えてもいいのかもしれない。

そして自分がある程度見えてくると、
もう体はいちばん自然だから、
自然に何か動き始めていく。
それが変わる方向だったりするのね。
結局、全然違う方向に行っちゃったとか、
結婚しちゃったとか。
そんなこともあるかもしれない。

だから、何て言うのかな、
ごちゃごちゃになるっていうよりも、
「ごちゃごちゃになってるよ、私は」
っていうことを客観視することが
大切なんだと思うんですよ。

うんうん。
ふたりの転職だってそうよね。
前職を辞してまで
次の仕事に賭けるべきなのかどうか。
もう二度と就職できないかもしれない。
でもここは倍率高いだろう。
この今やってる仕事も好きだと思う。
だけどこれさえなくしたらどうしよう。

恋愛にしてもそう。
彼のことが好きなのはほんとうだ。
けれどもこのままじゃ将来がないような気がする。
さあどうしよう?
はい。
やっぱり1つずつがばらばらにあるっていうふうに
思っていいのかもしれないね。
どう行動する、は手相に出るんですか?
生命線ですね。
結果どうするかっていうのが、
行動力を表す生命線に出ます。
もっと走り出したいけれど、どうだろうか、と。



そして頭脳線で、
たとえば、あの人、お金、全然ないのよね、
先はあるのかな、みたいなことを考えるとか。
で、感情線で好きかどうかっていうのも
いちど冷静になるみたいな。
総合なんですね。
総合なんですよ。
何かね、ついね、1つに頼りたくなるんです。
「ここに答えがあるじゃない!」
っていうのを、ほしくなって、
手相の本を見たりするんだけど、
たぶんそうじゃない。
そうですね。
わたしはふだん、
手相には何もかもが表れていて、
それは誰でも読めるものって、
そういうふうに言っています。
転機にしても、
総合的に判断するなら
これですよっていうポイントも、
説明することはできる。
けれど、今日、あらためて
わたしが言いたいことは、
手相というもののいちばん大切なことは、
自分と向かい合うこと。
自分の心と自分とセッションしてみること。
自分の全体像って自分じゃ見られないけど、
手のひらならどこだって全部見られるから。
自分って自分のこと、見えないですもんね。
そうですよ。
手のひらなら、どこだって見えますよ。
手を見るということはイコール
客観視というふうに思ってていい。
ええ。
だから誰がとか、運命がとか、神様がとか、
パワースポットがとか、
そういうものが人を幸運にしてくれるんじゃない。
たとえばパワースポットに行く、
それはもうパワースポット行ってまでも
開運したいという自分の思いが
実証されてるっていうか、
心に行動によって刻印されるみたいなもので。
パワースポットにパワーがあるかどうかは
ちょっと別の話で。
そこに行くときの強い気持ちということなんですね。
うん。そうそう。
(つづきます)
2012-04-04-WED

 
協力:anan編集部(マガジンハウス) 
手相イラスト:上田三根子 
そのほかのイラスト:ほぼ日刊イトイ新聞