ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

脳みそ、ツルッツル

ナポレオンズの出番を終え、楽屋に戻る。

色んな人がやってきて、

「いやぁ、面白かったですね。
 やっぱナポさんは、しゃべりですよね」

などと、感想を言う。

実にありがたいなぁと思うけれども、
マジック担当の相方の表情が気になる。

「やっぱナポさんは、しゃべり」

なんて言われると、

「おいおい、じゃぁ俺のマジックはどうなの?」

そう、言いたくもなるというもの。

本当は、皆さんマジックに詳しくないので、
相方の方はどうホメてよいのか
分からないだけなのだが。

もちろん、

「いやぁ、すごいですよね。
 植木さんのテクニック」

と、感心しきりの人もいる。

だが、マジック担当の植木さんの表情は
またまた晴れない。

なぜなら、テクニックに感心するのは
マジシャンだけ。

「あのハンカチの見せ方、
 絶対に分かりませんよ。
 良い見せ方、テクニックですよね」

完全にバレているでないの。
やれやれ。

なので、今後は、

「小石さんのしゃべり、面白い。
 植木さんのマジック、さすが」

てな具合に、ホメていただけないだろうか。
我々は、ホメられると伸びるタイプなのです。

先日、若い青年が楽屋を訪れ、

「いやぁ、頭ん中、
 脳みそがツルッツルになりました」

と、嬉しそうに言う。

なんのことだか理解できないまま、

「へへへ、そりゃぁどうも」

適当に応えておいた。

帰りの電車の中で、あの若者の、

「脳みそがツルッツル」

の意味を考えた。

彼にも様々に思い悩む日々があり、
限界まであーでもないこーでもないと
思いをめぐらせていたのかも。

それが、我々のステージを観て、

「あれこれ、ややこしく考えるより、
 楽しくてバカバカしい方が、いいな」

なんて思い直したのかも。

どうか皆さん、あれこれ思い悩む時は
我々のストレス・フリーのマジックをご覧ください。

きっと『脳みそがツルッツル』になりますよ。

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