ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

おいしくて、やがて、にがい

いつもの店にワインを買いに行った。

「わたしが責任もって仕入れて、
 責任もって売ってますから、
 小石さんも責任もって飲んでくださいね」

そんな面白いことを言う店長さんが大好きだ。

で、毎日のようにワインを買いに行く。

別に毎日1本空けているわけではないが、
棚に3、4本のボトルが並んでいると、
なんだか美しいのだ。

ところが、店長さんは、
「小石さん、週に一度くらいは
 休肝日にした方がいいですよ。
 なんだか、心配になっちゃう」

確かに、ボトル半分は毎日飲んでいるかも。
店長さんの言葉が妙に身にしみて、
その日は禁酒Dayと決めた。

「ワインを売っているのに、売るより客の体調を
 心配するなんて、なんて素敵な人だろう」
しみじみと感謝しつつ、休肝日の夜を過ごした。

翌日は、以前から約束していた月イチの飲み会。
始めはビールをゴクゴク、
続いてちょっと冷えた赤ワイン。

いやぁ、たった1日休肝日にしただけで、
こんなにもおいしく感じられるとは。

おいしい、おいしいと調子に乗って3軒ハシゴ。
結局、休肝日の翌日に二日分の量を飲んでしまった。

「それじゃぁ、
 あまり休肝日の意味がないんでないかい」
後悔先に立たず、翌朝、二日酔いの症状。

そんな朝に、マネージャーから残酷なメール。

「今日は『健康』についての
 インタビューがあります。
 写真撮影ありますので、よろしくお願いします」

いやはや、すっかり忘れていた。
昨夜のことも、ところどころ思い出せない。
これも深酒の影響だろうか。

重い体とぼんやりとした頭のまま、
取材先に向かった。

取材者が、
「もう、長く活動を続けていらっしゃいますよね。
 なにか、健康法って、ありますか?」

私は仕方なく、
「やはり、週イチの休肝日ですね。
 でも、翌日に二日分飲んじゃぁ、ダメですよ。
 あはははは‥‥」

にがい経験から、
人はより多くのことを学ぶのかもしれない。
ふむふむ。

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