突然ですが、ナポレオンズ・小石の無菌室便り
2020-02-16
私、ナポレオンズ・小石は昨年の某日、
急性白血病と診断され、
都内の病院に緊急入院いたしました。
67歳まで、無事これ名馬とばかりに
病気と無縁の人生だったのに
初めての入院、それも病名は急性白血病。
9月くらいだっただろうか、食欲不振が続いた。
お腹が空かないし、食べてもいつもの味を感じられない。
でも、それくらいじゃ病気なんて疑わないし、
お酒は普通に飲めてたし。
ただ、その後、疲れやすくなり、微熱も出てきた。
それでやっと何かの病気を疑い、
近くの内科で血液検査をしてもらった。
翌日、結果を聞きに行こうと病院に向かう途中に
電話があり、
「すぐさま○○病院に入院してください。
予約は取ってあります」
リュックひとつ背負い病院に到着、
案内された部屋は無菌室。
担当の医師の診断は、
「急性白血病です。それで‥‥」
いつ終わるとも知れない説明が続いた。
インフォームド・コンセントという事前のリスク説明。
「命を落とすリスクもあります」
67歳という年齢も治療リスクになるらしい。
抗ガン剤治療に耐える体力があるかどうか、
持病の問題も少なからずあるだろうし。
ともかく、人生初の抗ガン剤治療が始まった。
説明された副作用というものも初めて味わった。
激しい発熱、悪寒、筋肉が悲鳴を上げるほどの震え。
しかし、どうやらそれくらいの副作用で収まり、
重篤にはならず、熱は下がり、
体調はすっかり良くなった。
人生初の病院食も完食!
白血病の治療はめちゃ進歩しているらしい。
私の白血病に対するイメージは昭和初期のままで、
故に主治医から診断結果を聞いた瞬間、
「あぁ、私の人生もこれまでか」
なんて激しく落胆したものだ。
しかし、治療が進むうちに、
「あれれ? 意外と痛くない、こわくない」
主治医の先生は安全、患者の安心第一。
看護師さんはカワイイキレイだと、すぐさま立ち直り。
「年齢のことで、
治療に耐える体力を心配してたんですが、
小石さんは体力あります!
この病気を治すには体力!
体力! 体力です!」
そうだったのか!
私には知力はなくとも体力があった!
体力こそ我が命!
私は今後、体力だけを磨いて
長々と生きて行こうと
堅く心に誓うのであった。
(つづく)
ー明るく軽く親切なのに。
ほんの少し悲しみの味がするのだ。
マジックというのが、もともとそういう
素性のものなのだろうか。ー
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