『鉄コン筋クリート』
著者:松本大洋
発行:小学館 |
懐かしさと新しさが同居する街、
そこで暴れまわる少年たちつながりで、
『鉄コン筋クリート』をご紹介します。
取り残されたように周囲から孤絶した街
「宝町(タカラマチ)」を舞台とした作品です。
その町の中を、少年ギャングのシロとクロが
本当の意味で飛びまわるんです!
この作品は、なんといっても登場人物が魅力的。
天真爛漫なシロと、大人のしたたかさをもつクロ、
それから哀愁漂うヤクザのネズミ
温かみのある刑事さんなど、宝町を愛する面々や、
宝町のバランスに影響を与えるような
強大な敵も登場します。
松本大洋さんは、『ピンポン』の作者でもありますが、
どちらも、主人公ふたりの関係の描き方が
すごく独特でいて、かつ魅力的です。
シロとクロのような一心同体の関係が
現実的にあるのかどうかわかりませんが
人間性のひとつの真実を感じます。
ラストは感動間違いなし。
(マカデミアン) |