ほぼ日刊イトイ新聞

マンガでドミノ

『セクシーボイスアンドロボ』  

『セクシーボイスアンドロボ』

著者:黒田硫黄
発行:小学館
仕事つながり、ということで黒田硫黄さんの
『セクシーボイスアンドロボ』を紹介します。

主人公のニコは、
普通の女子中学生として生活するかたわら、
その変幻自在の声色を使って
テレクラのサクラをしています。
声、喋り方から客の好みを見事に読み取り
見事なセクシーボイスで釣りあげる、
そんなニコの仕事っぷりを見ていた
いかにもアブなそうなおじいさんが
仕事を持ちかけてきて…。

あらすじはこんな感じです。

おじいさんの依頼をこなしていく中で、
ニコが感じるのは
「この仕事を出来るのは、宇宙で私だけ」
という気分。
同じことをこなせる人材であれば
いくらでも交換可能、
という風にみられがちな仕事も、
実はその時間、その場所、その条件の中では、
一人の人しかこなせない絶対的なものになる可能性を
常に秘めているんです。
むしろ、個人の在り方が
社会によって限定される仕事のなかでこそ、
個人の力強さが際立ってきます。

そんな生き方を示す14歳の少女と、
完全にマイペースに生きている青年、ロボとの
でこぼこコンビは、
シリアスとコミカルをリズミカルに交差させて、
読み手の生き方を心地よく刺激してくれます。

役割の中でビシバシとスイッチを入れ替えつつも、
一本芯の通ったニコの立ち振る舞いがとても魅力的!

(onashi)

2011-11-12-SAT