またも兄弟(姉妹)つながりですが、
『ルミとマヤとその周辺』はいかがでしょうか。
昭和40〜50年代の北海道が舞台で、
駄菓子屋、虫取り、夏休み…と言えば、
ノスタルジックなほんわかムードの作品と
思われるかもしれませんが、
それらのオブラートに包まれている中身は
かなり苦くて切ないものがあります。
家庭環境や親の経済力、
親の見栄が子ども社会に与える影。
老いや病、差別、どうしようもない現実。
それらが漫画的なハッピーエンドになるわけではなく、
現実は現実としてただそこにあります。
それでいて読後はさわやかさと希望が感じられる
不思議な作品です。
『テルマエ・ロマエ』の
コメディタッチが有名な著者ですが、
それだけではない底力をみた思いでした。
続編の『凉子さんのいうことには』も
あわせてオススメです。
(m) |