著者の佐々木倫子さんつながりで
『月館の殺人』をおすすめします。
佐々木倫子さんのマンガというと、
コメディタッチのものを
代表作に挙げられることが多いと思いますが
この作品は珍しく正当派ミステリーです。
走り続ける列車という
密室で起きる殺人事件を中心に物語は進み、
シリアスな展開が相次ぎますが
この作者ならではのユーモアも随所にちりばめられ、
推理小説好きにも佐々木倫子好きにも
読み応えのある作品です。
そして何と言っても、
この作品に大きく横たわるモチーフは「テツ」!
鉄道にまつわる様々なものをこよなく愛する、
いわゆる「鉄道おたく」の略称ですが
この作品の登場人物のほとんどが
筋金入りの「テツ」なのです。
汲めど尽きせぬ垂れ流しの温泉のごとく
溢れ出る鉄道への愛を惜しみなく振りまく人々には
ひたすら敬服するしかありません。
というわけで、
推理小説好き、佐々木倫子さん好きな方に加えて、
鉄道好きな方にもおすすめ。
(karamatsu) |