ほぼ日刊イトイ新聞

マンガでドミノ

今週のマンガ
『自虐の詩』』
『自虐の詩』

著者:業田良家
発行:竹書房

大阪、泣ける、といえば、
業田良家さんの『自虐の詩』につなげるしかないでしょう!

中谷美紀さん、阿部寛さんの主演で映画化されたので、
ご存知の方も多いと思います。

ギャンブル・女・暴力(必殺技はちゃぶ台返し)の
三拍子揃ったダメ男・イサオと、
その男に尽くす女・幸江の日常を描いた4コマ漫画です。
あまりに不幸な境遇の幸江に
最初はなんだかやり切れない思いになりますが、
読み進めていくにつれ、幸せや不幸という境目が
よく分からなくなってきます。

後半は、妊娠した幸江を置いてイサオが失踪、
幸江の不幸な生い立ちなど、次から次へと、
幸せとは真逆の幸江がクローズアップされます。
そんな中、幸江が自分を捨てた母に書いた手紙には、
「おかあちゃん、
 いつもあなたをお慕い申しております。」と。
何が幸せで何が不幸なのか。

「幸や不幸はもういい」から始まるマンガでの
ラストのモノローグが圧巻です。
是非読んでみてください!

(さるこっぷ)

2013-11-30-SAT