『町でうわさの天狗の子』
著者:岩本ナオ
発行:小学館 |
| 主人公が姫ちゃんつながりで、
『町でうわさの天狗の子』をオススメします。
天狗ってあの…?
そう、姫ちゃんこと秋姫のお父さんはお山の天狗。
度肝抜かれる設定なのに、
天狗信仰のある田舎町の風景はナチュラルそのものです。
あの頃の時間はこんなにきらきらしていたっけ。
可笑しくて切なくてどこか懐かしい高校生の日常が、
優しく丁寧に描かれます。
雲行きが怪しくなる物語後半になるにつれ、
そんな平和な場面が余計にまぶしく胸に迫って…。
かわいい動物の眷属たち(人型にもなれる!)や
クラスメイトなど、
秋姫を囲む愛すべき仲間たちのエピソードもとても魅力的。
お互いに一番大事に想いながらももどかしい、
幼なじみの瞬ちゃんとの距離感も目が離せません。
大人にこそ読んでほしい青春ファンタジーです。
(Kanako) |