CAKE
マリーな部屋。

突然、勤勉になったワケではなく・・・。
なぁ〜んか上手く寝つけなかったのが半分、
あと、夏の菓子は期を逸してはいけない!
のが正当なもう半分の理由です。
イヤ、夏だけじゃないんでしょうけどね、
季節を食い気味に運ばないといけないモンって。
でも、夏ってあんまりハッキリと鮮やかな季節なもんだから、
遅れると目立つでしょ?
春とか秋だと、まだ緩やかに”〜めいて”くるぶん、
なんとなく許されるような・・・。
たしか着物でもね、夏は細かかったですヨ、
”今!着るモノ”のサイクルが。
絽とか、紗とかね。
厳密に言うと紗が着られるのは2週間だったかな。
ここいらヘンの、着物にまつわるハナシは、
ほぼ日刊イトイ新聞でもおなじみ、
「カナだから、の手紙」の可南子姐さんが詳しいです、ハイ。
ちょっと逸れたが、
そんなワケで、今回は時を置かずの新情報です。

え−、この際、
暑いうちに味わっておきたい”とっておき”、
一挙に並べたてましょう。

【氷】
いわずと知れた、
アノ白地に紺ぬき赤い縁取りの
暖簾も涼しいかき氷ですが、
古くからやってる店のほうが、いいようです。
というのも、
最近ハヤリ気味の、
若い子ばっかりいそうな渋谷っぽい甘味処より
(たしかにキャラメルソフトかき氷とか、
つぶつぶイチゴかき氷とかいわれると妙にソソラレて
行ってみてしまったりするんですが)
結局、
昔からやってるとこは、
どうも氷のかき方が違うようなのです。
かき氷っていう異常にシンプルな食べものに、
氷のかき方は非常に、
というかほぼ鍵を握るくらい
大事なのは当然ちゃ当然で。
なんていうかナ、人工雪みたいじゃなく、
適度に”氷”感を残すというか..。
うまく言えないから、よかったら行ってみてください。

一には、赤坂の「松月」
”氷宇治金時白玉入り練乳がけ”がおすすめ。
ココの氷は荒目で、噛むとシャクシャクいいます。

二には、四ッ谷の「わかば」
ここでも私は”氷宇治金時”をたのんでしまいますが、
(おすすめというより単に好みなのネ、多分)
シンプルに”氷いちご”とか、”みぞれ”
なんかもいいもんです。
店構えがこじんまりと江戸っぽく粋なので、
(店先に、水をかけつつ冷やしたラムネあり)
情緒を楽しむのも一興。
あと、ここは”たい焼”が名物なので、
暑い折りでもお試しあれ。
(因みにウチの父は
「何といってもココのたい焼が一番だ」
と言ってよく買いにいかされます。)

【くずきり】
京都では「鍵善良房」が、
ずば抜けて有名なようですし、実際おいしいですけど、
関東では、なかなかそれに匹敵するのはないらしく...。
けど、鎌倉に一軒、かならず寄ってしまう店があります。

鎌倉の(銭洗弁天の近く)「みのわ」
歯ごたえが断然いいんです。
くずきりって寒天とか、ところてんとどこか違うの?
なんて一瞬思われた向きには
一度食べてみていただきたく・・・、
ぜんぜん違うから、ほんとに。
それからココ、裏山からリスがでてきそうな風情で、
やすらぎます。

あと、くずきりに関しては、
売ってるお持ち帰り用を買うなら、
作ったほうがいいです。
洋菓子でいうと前回の桃パフェと
コンビニパフェくらいの差は
あるような気がするので。
(料理はまずしない、家庭科は2だった私でも
楽に作れるので意外にカンタンなのです。
スーパーで吉野葛、ひと箱さえ買ってくれば。)

【水羊羹】
これはもう、お好きなところのを、
と言ったほうが早いくらい日本の夏、
お中元の詰め合わせにも行き渡ってしまってる和菓子です。
が、最近、見直してしまったのです。
「ほ〜〜、おいしいもんじゃないか」と。
そのキッカケは、

千駄木の「一炉庵」の水羊羹。
ひょうたんの形をしてるんです。
四角くて葉っぱがしいてあって、
なんかつまんないお菓子・・・
と子供の頃から思ってたので、このひょうたん型、
妙に風流に感じてしまい、食べてて楽しいのです。
それに、
ここのは特にのど越しがひんやりとなめらかだし。
つぶあん
つぶあん
しろあん
しろあん
抹茶
抹茶

【その他】
この(その他)のワケは、場所です。品そのものではなく。
というのも、
夏のお菓子は(特に和菓子)、味も然ることながら、
風情を楽しむというか、雰囲気で涼むというか。
で、とっておきの場所。

三渓園とダンゴ
遅ればせながら
前回の原稿の三渓園の写真、
送ります。
鎌倉みのわのくずきりの写真は
もう少しお待ちを。
取り急ぎ。

横浜の三渓園のなか、
「三渓茶寮」ひろびろした和風庭園の、
大池の端にある茶店です。
ビルも車も見えず、鬱蒼とした緑に、
遠く蝉の声がこもります。
今年も初めての蝉の声をきいたのは、
ここでした。
近所のお母さんたちがやってるので、
白玉も、ぜんざいも、冷やし甘酒も、
手作りで甘過ぎず、いろいろこだわりもあるよう。
入道雲や池の鯉を見ながら、
かき氷つついてるとじんわり汗はにじむけど
「夏だなぁ」と、穏やかに実感できます。

以上、とりいそぎ、
夏に欠かしたら後悔するお菓子でした。
な〜んか、取りこぼしがあるような気もするので、
思い出したら追伸します。
とりあえず、よい夏を。


 
赤坂 「松月」
電:03−3853−7307
住:港区赤坂4-3-4
営時:10:00ー21:00
定休:日曜日
四谷 「わかば」
電:03−3351−4396
住:新宿区若葉1-10
営時:9:00ー19:00
定休:日曜日


京都 「鍵善良房」
電:075−561−1818
住:京都市東山区祇園町北側264
営時:平日9:00−18:00
土・日・祝日9:00−19:00
定休:月曜日
鎌倉 「みのわ」
電:0467−22−0341
住:鎌倉市佐助2-6-1
営時:10:00−18:00
定休:月曜日・火曜日
(但し、月・火が祝・祭日にあた る場合は営業いたします)
千駄木 「一炉庵」
電:03−3823−1365
住:文京区向ヶ丘2-14-9
営時:9:00−18:00
定休:火曜日・第三月曜
横浜 「三渓茶寮」 
電:045−621−1289
住:横浜市中区本牧三ノ谷58-1
三渓園内
営時:9:00−17:00
定休:不定休

1998-09-02-WED

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