レトロ
(編集部コメント)
先日、読者からこんなメールをいただきました。
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はじめまして
マリーな部屋に西麻布の和泉屋のスイートポテトが
でていましたが、残念ながら、
どうもつぶれてしまったようです。
私のオフィスはこのすぐ近くなのですが、
2週間程前でしょうか、臨時休業のはり紙が
してありました。
それから4、5日後に仕事でおつき合いのある貿易会社
(食品・食材の輸入販売)の専務さんに
つぶれたと聞きました。
いまでも臨時休業のはり紙がでたままになっています。
残念です。
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気になった編集部では、和泉屋に電話をしてみるとともに
掲載した和泉屋ホームページアドレスに
アクセスしてみましたが・・・・・・。
応答はありませんでした。
ショックです...。
そうとう...。
まだ、怖くて自分の目で確かめてないんですが、
本当なんでしょうか...?
銀座の千疋屋と、麻布の和泉屋がなくなった(!)
というのは。
「そんな...(絶句)」
というのは、こういう心境なんだろうな...
と悟ってしまいます。大袈裟じゃなく。
和泉屋のスイートポテトをおみやげに持っていきつつ
自分用にも必ず2、3個買って、あげる前につまんだり、
それから嗚呼、今年の秋の栗の季節!!
あの、マロンパフェなしに、
どーやって過ごせばいいんでしょうか!!??
めったにないのに、血圧が上がりそーです...。
でも。
これでひるむと思ったら大間違いなのです...。
私の好んでやまない店は、だいたいヒジョーに「レトロ」
ということが我ながらわかってきたので、
こうなったらバンバン紹介しましょう。
「レトロ」=まー、言ってみれば
「なくなっちゃうかもしれない..」ということですから、
早いモン勝ちですね、要は。
紹介して少しでも客が増えれば、
何日か閉店が延びるかもしれない...
ワケは、ないと思いますが、
その貴重な空気を味わっとくためにも、
せめてココを割いておこうと思った次第。
いやー、だって、なんか落ち着きません?
古いところって。(平たく言っちゃうと、ね)
絶対、生では行くことのできない時代の空気が
隅っこのほうに残ってそうで。
真新しくない空間のほうが、好きなので
(全く個人的なもっていきかただが)
神髄! と思われる店を2軒ほど。
ウ〜〜ン、でも、これはねぇ...。
私の完全“なごみ”スペースなので、言っちゃうのが
もったいないよーな..
と、ダフ屋の最終交渉ゼリフみたいなことを言いつつ、
載せましょう、言ったからには。
横浜、山下町の『みなと』。
バス停「山下橋前」(だったかな?)の目の前、
元町商店街から歩いて5分、隣(というか、下)が海の
ちいさい、ちいさい喫茶店です。
BGMなし、ケーキなし、ウェイトレスさんもなしの
3、4席の店で、夜はお花を教えてるおばあちゃんが
一人でやってます。
メニューは、コーヒー、紅茶、サンドイッチとトースト、
あと、やきそばとか、うどんもあります。
おばあちゃんが作るやきそばとか麺類系のものには、
目玉焼きがだいたいのってて、
多分サービスの意味なんだろうと思われます。
窓からの景色がすごく良くて、上では、ちょうど
高速の山下町の降り口が交差して、下の方では
船がポンポンポンと煙をあげながら出ていくのが、
すぐそこに見えます。
電話とかそーいったモノはあったと思うけど、
鳴ってないので直接行き当たりバッタリに
(興味があったら)行ってみていただけると
いいかと思います。
吉祥寺『エコー』。
ほとんど一人で店でお茶を飲むということをしないんですが
(だったらウチで入れたほうが安いし..)
ここは、ほとんど一人で行きます。
ボーッとできます。外を通る人を漠然と見ながら、
おじさんの入れてくれたコーヒーをただ、ただ飲んでます。
(うまい!)
メニューは、コーヒー、紅茶、ミルクコーヒー、トースト、
ミックスナッツくらいかな。
ここも。BGMなし、ウェイトレスさんなし、
甘いものもなし。
でも、なんていうか、クリスマスの夜には小人が出てきて
何か手伝っていきそうな(靴屋じゃないけど)雰囲気です。
おじさん、おばさんが元気そうだとホッとするので、
何ヵ月かに一度は行ってしまいます。
電話は、あったなー。けど、探し探し、
行ってみていただけるとうれしいです。
えーと、場所は吉祥寺東急デパートと富士銀行の間の道を
入って一本目の右に曲がる角の2階です。
何年か前に改装して、綺麗になりました。
こじんまり感は変わりませんけど。
いやー、書いてしまいましたが、
この2軒は私の最終兵器です。いや、最後の楽園かな?
まぁ、いいや。でも、ここがなくなったら、
どうしよう...。
そー思うところって、ありません?
わたなべ まり
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