ITOI
ほぼ日・マーケティング局は
何をしているのか?

「ほぼ日永久紙ぶくろ」(8)
なんでこんなにそそるんだ?!
ロゴマークのテストプリントがやってきた!


もう、毎日毎日の、連日の重大発表です!
「ほぼ日永久紙ぶくろ」の
ロゴマークプリント見本が届きました。
やっぱり、これですよ。
あのおさるが付いてなかったら、
どんなに丈夫なふくろでも、おもしろくないんだ。
なんつーか、見違えたもん!
スタッフのみんなが「絶対欲しいです」と、
花見酒の経済的な雰囲気になってきたですもの。

プリント見本の数々は、これ。



「もうどれでもいい、どれもいい」という
投げやりなんだか情が深いんだかわからない意見もあった。
でもそういうのは例外として、みんなが、
たしかにどれも一理ある、という顔つきをしていたです。
そして、いろんなことがビシバシと決定していったのです。
インクの色はベージュに決めました。
紙ぶくろらしい雰囲気があるのが、決め手ですね。

ためしに、前回とどいた試作品「赤門1号」に、
ベージュで印刷したロゴマークを重ねてみました。

「ばかやろー!」というひねくれた感嘆の叫びは、
この場にいた最年長者の方から発せられた。
この人、おおいに気に入るとそういうことを言います。



「ちょっと、上下に入ってる文字が読めないじゃん!」
・・・まったくそのとうりですね。
写真はテストプリントした生地を
セロテープで試作品に貼り付けただけなので、
端が曲がってしまうんです。ちょっと情けない。

上には、ほぼ日の所在地“TOKYO NEZUANA”、
下には、ほぼ日のURL“https://www.1101.com”
という文字が入っています。
文字のデザインは、下のデザイン画を参考にしてください。
気に入らない方はアッキイ画伯をうらんでください。



上の図に色がついたところを想像してください。
で、「ほぼ日永久紙ぶくろ」は、
レッド生地の「赤門1号」ばかりじゃありません。
他にピンクとどどめ色、は却下されましたが、
イエローの「黄門様1号」と、
ブルーの「青山通り1号」があります。
全色ほしい、でしょ?
まぁまぁ、ご心配なく。

『ほぼ日紙ぶくろは“3色セット”』なのです。

え、一枚ずつ買えないのか?!
ああ、怒る人も出てくるだろうな。
私、セイヒローは、こういう時には年長者を呼びます。

セ「怒る人もいると思うんですけど・・・」

d「怒らないでくれ!頼む」

セ「え、それでおしまい? 説得とかしないんですか?」

d「しない。
 だって、これ、Tシャツと同じで、
 自分たちが欲しいものっていうコンセプトだぜ。
 3色作れるって知ったときの、あの感動を忘れたのか?」

セ「あああ、そうでしたけど」

d「3色ひとセットになって、送られてくるイメージを、
 思い浮かべるんだ。
 ・・・な、うれしいだろ?
 それが、ほぼ日の執筆陣やお世話になってる関係者に、
 送られるわけだろ?
 その人たちがその届け物をよろこんでいるところを、
 想像してごらんよ」

セ「・・・想像してます。ポカスカジャンの省吾くんが、
 宅急便を開いているところを・・・」

d「そうじゃなく、天海祐希さんにしなさい、その想像を」

セ「ああっ!はいっ。
 天海さんが、一枚の紙ぶくろを
 大切そうに・・・あ、たしかにショボイです。
 一枚では」

d「ほーら、見ろ。紙ぶくろのコンセプトに、
 一枚は似合わないんだ。赤・青・黄色の三原色がそろうと
 こんなにきれいなのだ」


言いたいことはわかりました。
しかし、しっかり者のわたくしが、
蛇足ながら言わせていただくならば、
もっとしぶい別の理由もあるのです。
たとえば、1枚ずつ販売した場合、
価格をどのくらいにするかにもよるのですが、
紙ぶくろの原価+送料+もろもろの諸経費で、
赤字とは言わなくても、とても厳しいビジネスになります。
似たような商品が1200〜1500円の市価ですが、
送料の比率が高すぎるので割高感がでてしまうでしょう。
嵐のような発送作業を自前のパワーでやったとしても、
宣伝のためだけに販売するのは、やっぱり問題アリです。
『食える会社から無料のほぼ日』を発行し続けるには、
通信販売をビジネスとしてなりたたせなきゃだめです。

「紙ぶくろ」として使いたい。気軽にひょいっと。
それは「バッグ」ではないのだから、ぽんぽん使って、
誰かにホイッとあげちゃってもいい。
三枚セットにした時には、そういう雰囲気もあります。
だから、一枚だけどうしても買いたいという方は、
友だちとかと分けあってください。
たぶん、予想では
「この色はいらない。この色だけ三枚にしてください」
というような、女王様なご意見もあるでしょうが、
『現状では無理なんです』と、
あらかじめ正直に言っておくことにします。
ほっんとに、無理なんです。

どうでしょうか?
“3枚セット”ということで、レッド、ブルー、イエロー。
見本のなかに、いい感じのグリーンもあったのですが、
今回は自己主張のイエローと競ったあげく、
「グリーンは見送り」ということになりました。
イエローについて、現物見本のないときには、
「いかがなものか?」という意見があったのですが、
あにはからんやの大人気、これはかっこいいっす!
ここはひとつ、「黄門様」に口説かれてみてください。
以上が「ほぼ日」がプレゼンテーションする
「ほぼ日永久紙ぶくろ」3原色トリオ。
よろしくお願いします。







みんながみんな同じ考えになることはないですし、
そのほうがいいと思います。
ですから、今回のような「提案型の販売方法」だと、
お客さんが減るかもしれません。
でも、みんなの意見を取り入れたものを作って、
みんなが満足するということはやっぱりないのです。
どこかで、「ほぼ日はこれをこう売る」という、
確固とした姿勢がないと、わたしたちも満足できないし、
「みんなの意見をとりいれた」というだけが売り物の、
半端なものになっていくだろうと話し合いました。

やっぱり原点は自分たちのほしいもの。
筆者や関係者へのお礼として贈ってよろこばれそうなもの。
赤、黄、青の3色セットで使いたいし、使ってほしい。
なんで作りたいのかはっきりしてるから、
作って後悔しないと思うんですよね。

じゃあ、売れなくてもいいのか? といったら、
まったくその逆噴射な気持ちです。
スタッフが使いたいと思って作ったものを、
さらに、ほぼ日を読んでくれてる人たちが
使ってくれたりした日にゃ、最高ですよ。
特に、イエロー、使ってみようよ。
デブもがにまたも使いたいのよ。黄色だよ、イエローだよ。
街を黄色くしようよ。
「なんだ、その黄色いの?」って言われようよ。
黄色も青も、赤だって、あくまでシンプルな“紙ぶくろ”。
汗ふきタオルとか運動靴とかゴミ箱がわりとか書籍入れ。
使われてなんぼの「道具なヤツ」なんだと思います。

嘘はつけないワタクシが、
Tシャツ以上に自信あるんですよ、
この「ほぼ日永久紙ぶくろセット」には!

これからの話をしますと、タグとか、梱包の仕方とか、
細かい部分はもうちょっとつめていきます。
そして、1月中に注文受け付けを開始して
2月頭に業者さんに発注すると、なにも問題がなければ
2月末には“紙ぶくろ”がほぼ日に納品される
というところまできているんですよ。

(つづく)

2000-01-21-FRI

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